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売り場の陳列はなぜ重要?適切な場所の選び方をポイントで解説

売り場の陳列はなぜ重要?適切な場所の選び方をポイントで解説

スーパーなど小売店にとって、売り場の陳列は重要な要素とされています。実店舗の店頭にはさまざまな商品が並んでいて、消費者は陳列を見ながら購入する商品を決めるため、陳列によって、購入を促すことができます。そこで、今回は売り場の陳列が重要な理由と、選び方のポイントについて詳しく解説します。商品の陳列に悩む担当者さまは、ぜひ参考にしてください。

売り場の陳列が重要な理由

売り場の陳列は、購買率や売上に直結するため重要です。店舗についた後、売り場で購入する商品を決める消費者がほとんどだからです。商品を並べるのは、商品の視認率を上げて購買につなげてもらうことに直接関係します。どんなに良い商品があっても、そもそも存在が知られなければ購入につながりません。

売上は、以下の式で表すことができます。

●売上=客数×客単価

客数または客単価、あるいはその両方を上げることで売上は上がります。客数を増やすためには、まず集客が重要です。詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
スーパーマーケットの集客方法を知ろう!現状や必要なことも合わせて解説

さらに集客だけでなく、商品購入につなげる必要があります。これを「買上率」と言います。

客単価を上げるためには、「買上平均単価」と「買上平均点数」にも注目しましょう。

  • 買上平均単価:消費者一人あたりの平均購入金額
  • 買上平均点数:消費者一人あたりの平均購入点数

買上率や買上平均点数は、売り場の陳列と密接に関係するとされています。ここで、上記2点を詳しく見ていきましょう。

「買上率」とは

買上率を上げるには、さらに細かく「立寄率」と「視認率」が重要です。

  • 立寄率:消費者が、ある商品の売り場に立ち寄る割合
  • 視認率:陳列された商品のうち、ある商品を目にする割合

立寄率を上げるには、消費者の動線を考えて自然と該当商品の売り場に足を止めるような工夫が必要です。一方、視認率を上げるには、該当商品を目立つ場所に陳列したり、目を引くような売り場を作ったりする工夫をしなくてはなりません。

「買上平均点数」とは

買上平均点数を上げるには、いわゆる衝動買い、ついで買い(非計画購買)を促すことが重要です。消費者が事前に購入することを決めていた商品だけを購入していると、購入点数が増えません。

そもそも、事前に購入することを決めた商品だけを購入するやり方は、ネットスーパーやECサイトでもできます。ついで買い、非計画購買を促せるのは実店舗の強みと言えるでしょう。「つい欲しくなってしまう」と思えるような仕掛けを施す必要があります。

陳列する場所の選び方

では、陳列する場所はどのように選べば良いのでしょうか。今回は、6つのポイントについてご紹介します。

陳列面を適切な大きさにする

買上率を上げる要因の一つ、視認率アップのための工夫です。視認率を高めるには、陳列面を増やすことが重要です。とはいえ、極端に増やせば良いというものでもありません。店舗の大きさによって、だいたい以下が目安です。

300坪くらい:3〜5面まで
600坪くらい:5〜7面まで

陳列面を増やせば、それだけ消費者の目に止まりやすくなります。十分な商品量を陳列できるため、在庫切れも起こしにくくなるメリットも生まれます。

目立たせたい商品の置き場を工夫する

視認率アップのために、置き場所を工夫することが重要です。一番売りたい・推したい商品を、消費者にとって視認しやすく、手に取りやすい高さに陳列する(ゴールデンライン、ゴールデンゾーン)ことがポイントです。同じ価格、知名度、原料なら、ゴールデンラインにあるものが購入されやすい傾向にあります。

ゴールデンラインとは、大きく分けて以下のように考えられます。

  • 垂直配置:中央部よりやや高めの位置
  • 下部が張り出した配置:中央部と最下部

成人男女、大人と子どもなどでも高さが異なるため、ターゲットの目線や手にとりやすさをしっかり意識しましょう。

グルーピングを意識する

グルーピングとは、同一商品や関連性の高い商品・カラーリングやデザインの似ている商品をまとめて陳列する方法です。

特定ルールに従って商品をまとめることで、顧客が商品を探しやすくなる効果があります。グルーピングは主に、以下3つの方法を用いて行われます。

  • 水平:同一商品を横方向に並べてまとめる
  • 垂直:同一商品を縦方向にまとめる
  • ブロック:同一商品を縦横の両方向にまとめる

商品の量やバリエーションだけでなく、顧客目線で見たときに商品が取りやすいかにも注目しながら並べるのがポイントです。

目線の動きを考える

目線の動きに合わせて、棚の前に立つと中央や右側に置かれた商品の購買率が高くなる傾向があります。これには、以下の3つの理由が考えられています。

  1. 棚の正面に立つと、中央が最も視認しやすいため
  2. 日本人は圧倒的に右利きが多いので、右の商品を取りやすいため
  3. 人間の目がモノを見るとき、一般的に左上から右下へと進むため

このため、棚の左右端にある商品、左上に配置された商品は視認されにくい、手に取られにくい傾向があります。売りたい商品は、配置として中央や右側に置くと良いでしょう。

左側の商品を売りたいときや、中央・右でも特に売りたい商品があれば、ポップなどの販促物で目立たせ、目線を誘導するのも方法の一つです。この方法なら、視認率を高めるとともに、陳列にメリハリをつけて見やすい陳列にできます。

他の商品の売上を利用する

売上に差がある商品があり、少ない商品を売りたいとき、売上の多い商品に挟み込んで購入点数を上げる方法もあります。サンドイッチ陳列とも呼ばれ、売上の多い商品に少ない商品を挟む方法で、視認率・立寄率アップを促します。

売上の多い商品が少ないときは、売上の多い商品を少ない商品で挟むタイプのサンドイッチ陳列で、売上の少ない商品の視認率をアップする方法もあります。

売れる場所に商品を置く

一般的に、入り口やレジ付近、店舗の最奥は商品が売れやすいとされているため、買上平均点数を増やしたい商品を置くのがおすすめです。コンビニのレジ付近にセール品などが置かれているのはこの理由です。

入り口:最初に目に入る場所。第一印象
レジ付近:会計待ちの間に商品を見るので、ついで買いが多い
店舗の最奥:方向転換のため、一度立ち止まる

売りたい商品がある場合、これらの場所に商品を配置しておくと良いでしょう。

改装・リニューアル

商品の配置を大きく変えて目新しくすることで、滞在時間を伸ばし買上率、買上平均点数を上げることにつながります。改装・リニューアルの際に上記のポイントも意識して商品を並べれば、より売上アップにもつながりやすいでしょう。

陳列に活用できる什器や販促

陳列において重要なのは、棚だけではありません。その中や周辺に置く什器・装飾に使う販促なども重要な要素です。売上向上のためには、陳列に活用できる要素についても知っておく必要があります。

次は、什器や販促のポイントを解説します。

什器を利用する際のポイント

商品を入れる什器は、陳列をより魅力的にする重要な要素です。商品をただ収納・装飾するだけでなく、売り場全体の雰囲気にも影響を与えます。什器を選ぶときは、収納している商品や売り場のイメージに合ったものを選びましょう。

例えば、ナチュラルな雰囲気を出したいなら木製の什器がおすすめです。スタイリッシュなイメージの場合は、金属製または白系の什器で統一すると、おしゃれな雰囲気を演出できます。

しかし、これらを真逆のイメージのある商品や売り場で使ってしまうと、ちぐはぐな印象を与えてしまいます。

什器を活用する際は、商品との関係性や売り場イメージをよく考えたうえで選択するのがポイントです。

【関連記事】
スーパーの陳列やディスプレイで売上が変わる!?陳列が重要な理由とは

販促ツールを設置する際のポイント

POPなどの販促ツールは、棚や商品を装飾することで顧客の目に留まりやすくする効果があります。便利ですが、顧客の目に留まりにくいところに設置してしまうと、せっかくの効果を半減させてしまいます。

販促を設置する際は、顧客の動線や目線を意識しましょう。

また、有効なツールは商品や店舗のターゲット属性により異なります。より効果的に活用するには、ターゲット層を把握し、的確にツールを選ぶことも大切です。

ツールは設置すれば永遠に効果を発揮するものではありません。長時間設置し続ければ、掲載内容が古くなる・汚損などの事態が発生します。

これを防ぐためにも、定期的なメンテナンスが必要です。常に最新かつ快適な状態を保てるようにしましょう。

【関連記事】
スーパーのPOPはなぜ必要?POPが果たす役割や作り方を知ろう

販促ツールで売上向上を図ろう

消費者はあらかじめ購入する商品を決めて来るとは限らず、売り場についてから購入する商品を決めることも多いです。そのため、陳列は売上アップに重要です。陳列を工夫する方法はさまざまですが、今回は主な6つをご紹介しました。

消費者が思わず買いたくなるスーパーの売り場の工夫についてはこちらの記事もご参考ください。
スーパーの売り場にはどんな工夫がされている?効果的なディスプレイとは

また、売上を増やすためには陳列だけでなく、他の方法も検討する必要があります。ぜひ、以下の記事も参考にしてください。
スーパーの差別化戦略とは?理由や差別化のポイントを詳しく解説