スーパーマーケットの生き残り戦略を成功させる秘訣とは!?具体策や事例を交えて解説
スーパーマーケットに行かずとも欲しいものが購入できる現代。スーパーマーケットは生き残りをかけ、顧客に愛着を持ってもらえるような戦略を立てる必要が出てきています。
なかにはデジタル戦略やSNS戦略を駆使し、この苦境を乗り切ろうとするスーパーマーケットも増えてきています。そこでこの記事では、スーパーマーケットが生き残るための戦略や事例などを紹介します。
目 次
スーパーマーケット業界が立たされている現状と課題
インターネット技術が進化しスマホの普及率が高まり続けている昨今では、消費者の価値観が多様化しています。さらに、少子高齢化によって小売市場全体が縮小傾向にあるなか、追い打ちをかけるように物価が高騰。現代ではモノが売れにくいのが現状です。
そんななか、消費者は何かを購入する際にさまざまなチャネルで比較を行います。そのため、サービスや商品そのものの価値だけでなく、顧客にとっての利便性や付加価値の付与が今後のスーパーマーケットの生き残りの鍵になってくるでしょう。
スーパーマーケット業界は今後「あのスーパーマーケットだから買い物にいく」といった愛着や動機を顧客に付与しなければ、生き残りが難しくなってくるはずです。
スーパーマーケットが生き残り戦略を成功させる2つのポイント
ではスーパーマーケットはどのようにして生き残り戦略を企画するべきなのでしょうか。ここでは2つのポイントを紹介します。
1.顧客ファーストの視点で戦略を練る
スーパーマーケットが生き残り戦略を成功させるには、ファンを作るという思考が重要です。自社の商品を売りたいという、スーパーマーケットの都合を戦略に反映しすぎると逆に顧客は離れていきかねません。
そのため「何をいつどんなときに提供すれば顧客は満足してくれるのか」という顧客ファーストの視点で戦略を練るのがポイントです。
なお、以下の記事ではスーパーマーケットのマーケティングや、ロイヤルカスタマーについて紹介していますのでご参考ください。
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2.自社のポジショニングを正しく把握する
スーパーマーケットが生き残り戦略を成功させるには、自社の立ち位置を正しく把握することも重要です。「業界内では何番手に付けているのか」「その地域での知名度や規模はどれくらいなのか」これらを把握することで、どのような戦略が有効となり得るのか、考えやすくなります。
例えば自社のスーパーマーケットの競合が業界大手の場合、大手と同様の戦略を立てても勝ち目がないことが想定されます。逆に大手スーパーマーケットにはできない戦略を練ることで差別化を実現できれば、自社店舗のファンとなってくれる顧客を創出しやすくなるでしょう。
スーパーマーケットの生き残り戦略に有効な3つの施策
ここまで、スーパーマーケットがおかれている状況や、生き残り戦略を成功させるポイントを紹介しましたが「具体的にどのような施策が有効なのか知りたい」という方もいると思います。
そこでここでは、スーパーマーケットの生き残り戦略に有効な3つの施策を見ていきましょう。
デジタル(オンライン)戦略やSNSの活用
これからの時代でスーパーマーケットが生き残るには、顧客に「このスーパーマーケットだからこそ通いたくなる」と思ってもらうことが重要です。自社店舗のファンとなってもらうためには、顧客の心理や二-ズを捉えることがなによりも先決であり、重要です。
顧客心理、ニーズを把握するためにはデジタル(オンライン)戦略やSNSの活用が非常に有効と言えます。なぜなら、オンライン上で顧客のデータを収集することができ、ビッグデータとして解析することで顧客心理、ニーズを客観的に把握できるためです。
膨大なデータを収集できれば、顧客が意識していなかった潜在的なニーズさえも捉えることが可能になります。データを基にパーソナライズされたアプローチを実施することでファンを増やすことに繋がるでしょう。
デジタル戦略についてはこちらの記事で詳細を紹介しているので、ご参考ください。
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クーポン施策
クーポン施策は、戦略次第ではリピート顧客を生み出すことができる戦略のひとつです。例えば業界は異なりますが、低価格でとんかつを提供する「かつや」はクーポンを活用することで優良顧客を生み出し、コロナ禍にあっても成長し続けています。
かつやは、会計時に100円割引クーポンを配布しています。最近ではスマホ上でクーポンを発券する企業が増えるなか、あえて手渡しすることで顧客に常に割安感を想起させているのがポイントです。
このクーポン施策がかつやの成長を支えている要因のひとつですが、クーポン施策が好調なのはターゲットにマッチする施策であるからに他なりません。
かつやのクーポンを利用する顧客のほとんどが30~60代の独身男性であり、かつやのターゲット層です。ターゲットがクーポンや割引に敏感であること、自ら食糧を調達する必要があり頻繁に買い物をすることが分かっているからこそ、かつやは毎回手渡しでクーポンを配布しリピート促進を成功させています。
リピート施策を成功させられればロイヤルカスタマーの生成にもつながり売上向上の鍵になるかもしれません。詳しくはこちらの記事をご参考ください。
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・PB商品の展開
PB(Private Brand)、NB(National Brand)商品を展開するのも、スーパーマーケットの生き残り戦略として有効でしょう。PBは、商品開発や製造を行わない小売・流通業者が、自らの知見を活かして企画・製造するため、顧客のニーズを把握した商品開発を行いやすいのがメリットです。
自社店舗に訪れる顧客のニーズから逆算して商品を開発できれば「このスーパーは私の好みをわかってくれている」というロイヤルティを生み出すことも可能です。 PBについては以下の記事で詳細を記載しているので、ぜひ参考にしてみてください。
PBとNB。その意味やメリット・デメリット、スーパーでの活用法などをご紹介!
【事例】スーパーマーケットの生き残り戦略
ここでは、実際に生き残り戦略を成功させている事例を紹介します。事例の中で自社の生き残り戦略に活かせる部分がないかチェックしみてみましょう。
ライフ
食品スーパー最大手のライフは、かねてより総合力を極めるのではなく、品揃えを絞ることで顧客ロイヤルティを高めていました。
具体的には食品、生活必需品を中心に扱っており、中型店舗を都市圏に集中させる戦略をとっているのが特徴です。
この戦略が功を奏しました。非食品部門を取り扱っていた競合他社が2000年以降にショッピングモールの台頭により不採算部門を背負うなか、食品が売上の8割を占めるライフは大きな影響なく経営を安定させていたのです。
また、ライフのように中型店舗で食品と生活必需品がそろっている店舗は、これまで旧市街地にはありませんでした。これが「ちょうどよいスーパー」を求める顧客に刺さり、ライフの成長を後押ししていました。
このようにライフは、自社のポジションや戦略を明確にし差別化することで、顧客獲得を成功させ生き残ってきたといえます。
参照元:東洋経済ONLINE「数あるスーパーで「ライフ」が勝ち残った納得理由」
ローカルスーパーマーケット
過酷な環境化のなか生き残りをかけて戦略を打っているローカルスーパーマーケットも存在します。
ローカルスーパーマーケットの強みはなんといっても「地域密着」を重視した戦略です。その地域ならではの食材や商品を充実させたり、地域メーカーとコラボしたりと「地域に寄り添う店舗」とブランディングできている店舗ほど、生き残り戦略に成功しています。
また、ローカルのスーパーマーケットは従業員がその地で育った人材が多く、地域密着の戦略が浸透しやすいのも特徴。地域ニーズを捉えつつ顧客が求める施策を打ち続けることで、継続的な経営を実現しています。
参照元:DCS online「地域で話題!ローカルスーパーが14社登場、“大手にはできない”強さの秘密とは?」
まとめ
顧客ニーズやチャネルが多様化する昨今では、スーパーマーケットの生き残り戦略が急務と言えます。ポイントは顧客ニーズを第一に考えることです。顧客にファンになってもらうという視点で施策を打つことで、リピーターを増やせたり売上を伸ばせたりするはずです。この記事で紹介したポイントや事例が、生き残り戦略企画の参考になれば幸いです。
なお、スーパーマーケットにおいて「ファミリー層のロイヤル化を促進したい」「家族連れのお客様に楽しんで買い物をしてほしい」という方は、ぜひ「きゃらくるカート」もチェックしてみてください。