店舗集客アイデアはどうやって出す?事例も参考に考えよう
ITやインターネットが広く普及した現在、集客方法もそれに合わせてさまざまな方法が実施されています。昔ながらの方法はもちろん、最新技術を用いての集客もよく行われるようになりました。
しかし、店舗集客は企業や店舗の特徴や商圏などにより、効果を発揮できる方法が異なります。成果を出せるアイデアを考案するには、その考え方や参考事例を知っておかなくてはなりません。
そこで、本記事は店舗集客アイデアの出し方と、実際に使われている方法を解説します。店舗集客施策を検討する際にお役立てください。
目 次
店舗集客アイデアの出し方
まずはアイデア考案のポイントと流れを解説します。
商圏分析をもとに施策を実施する範囲を定める
店舗や商業施設の商圏は、その規模や取扱商品・サービスにより異なります。的確に集客できるアイデアを考案するには、自社や店舗の商圏を知っておかなくてはなりません。
商圏は同じ小売店でも取扱商品により大きく異なります。分かりやすいのが、スーパーマーケットとホームセンターです。
- スーパーマーケットの商圏:3~5km
- ホームセンターの商圏:10~30km
このように、日常的に消費する商品やサービスを扱う店舗の場合、商圏は狭い範囲に集中しています。一方、購入頻度が低いまたは高価格帯の商品を扱う店舗は、広い商圏をカバーしています。
同じ小売店でも、自社の商圏に合わない戦略を立てては思ったような効果は得られません。集客アイデアを成功させるためにも、分析すべき商圏の範囲は正確に把握しましょう。
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自社や店舗のターゲットを明確にする
商圏の特徴や範囲を大まかにまとめたら、次は商圏内の顧客分析に移りましょう。具体的には、以下の要素を明確にします。
- 商圏内に多い属性や年代
- 商圏内での購入決定者の属性や特徴
- 自社商品やサービスの対象顧客が持つ属性
自社のターゲットを明確にすることで、ムダのない店舗集客ができます。自社商品やサービスを購入してくれる顧客を少しでも多く集めるには、その属性や特徴を明確にしたうえでアイデアを考案する必要があります。
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顧客が来店するまでのストーリーを考える
商圏とターゲットを決定したら、次は実際に顧客が来店する際の流れを考えます。
例えば、店舗集客のためにタイムセールを行うとします。店舗集客を成功させるには、ターゲット層が来店しやすいタイミングを見極めなくてはなりません。
以下の図は、スーパーマーケットの主なターゲット層である主婦層や高齢者層の特徴とタイムセールを行うべきタイミングをまとめたものです。
ターゲット層 | ターゲット層の買い物における特徴 | セールを開くべき時期 |
子育て世代の主婦層 | 子どものお迎えや夕飯の支度などの合間 | お昼から夕方の時間帯 |
高齢者層 | 早起きの人が多く、時間的余裕がある | 開店直後および午前中 |
このように、ターゲット層により施策が効力を発揮する時間帯は大きく異なります。集客アイデアを考案する際は、対象となる属性の特徴をおさえておかなくてはなりません。
店舗集客アイデア考案の際は、顧客が店舗に来店する理由やタイミングにも注目しましょう。
施策を実施しつつ効果測定する
施策の効果を判断するためにも、実施中およびその後の効果測定も欠かさず行いましょう。
効果測定には分析のためのデータが必要です。実施する施策の選択が難しい場合は、ある程度データ収集できる方法を優先して選びましょう。データ収集できる施策としては、以下の方法があります。
- ポイントカード:来店・購入履歴で顧客動向を分析する
- チラシアプリや自社アプリ:自社チラシの閲覧数やダウンロード数を分析する
- 自社HPやSNSアカウント:閲覧数やフォロー数を分析する
このほか、効果測定が難しい方法でも、以下の方法を用いれば施策が成功しているかを判断できます。
- 施策実施前に来店者数や購入者数をある程度把握しておく
- 施策中およびそのあとに実施前に調べた要素の数値を再度集計する
- 施策実施前・実施中・その後で数値の推移を分析する
効果測定を効率的に行うためにも、施策と並行してデータ収集・分析できるツールの導入や準備をしておきましょう。
小売店向け集客アイデア
ここでは、小売店で活用されている店舗集客アイデアを解説します。なお、より詳しい内容を知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
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店舗集客の方法やアイデアを解説!小売店向け事例も紹介
ポイントカード
ポイントカードの発行と同時に以下の施策を行う店舗集客方法は、小売業が行う施策の中でもポピュラーな方法です。
- 会員限定クーポンやイベント
- ポイントによる値引きやプレゼントなどのサービス
来店するたびにお得に買い物できる仕組みを導入することで、同業他社との差別化と集客・リピーター確保を実現できます。また、以下の情報を収集したい場合にも有効な手段です。
- 顧客の年齢
- 属性
- 居住エリアと商圏
- 購入履歴
これらのデータは集客だけでなく、そのほかの施策でも活用できます。有益な情報を効率的に集められるのも、ポイントカードが多くの小売店で採用されている理由のひとつです。
チラシ配布
新聞の折り込みやポスティングによるチラシ配布も、昔から採用されている方法です。商圏に住んでいる人に店舗情報を届けることで集客につなげます。
店舗情報に加えて来店時に使えるクーポンを付けるなど、ほかの施策と組み合わせる方法も取れます。複数の方法を組み合わせることで集客効果を向上できるのも、チラシ配布がよく採用されている理由です。
また、チラシアプリなどに自社チラシを掲載すれば、新聞などをあまり見ない若年層世代にも自社や店舗をアピールできます。アプリからは閲覧数などのデータも手に入るため、数値を分析すれば次の施策にも活用できます。
顧客が買い物しやすい環境を整える
店舗の集客率を向上させたい場合に有効なのが、店舗環境を整える戦略です。
顧客が快適に買い物できる環境を整える手段としては、以下の方法があります。
- 顧客の動線や通路を広めに確保する
- 買い物カゴを各陳列棚付近に設置する
- 各入口にカートを設置する
- 子供向けカートを導入する
例えば、「きゃらくるカート」は、小さい子どもと買い物する際、便利な機能が多数搭載されています。導入すれば子育て世代をターゲットにした集客で役立つでしょう。このような設備を導入するだけでも、十分効果を見込めます。
また、店舗内レイアウトだけでなく、陳列棚などの細かい部分を見直し、より顧客が商品を手に取りやすい環境を整えるのも有効です。
実際の小売店で行われた集客アイデアの事例
最後に、実際の小売店で行われた店舗集客アイデアの好事例をご紹介します。アイデア考案の参考にしてください。
ブックオフコーポレーション
古本をはじめとした中古品販売を手掛けるブックオフコーポレーションでは、来店促進を目標にポイントアプリを導入しました。
従来のカードでは来店時に携帯する必要がありましたが、スマートフォンさえあれば使えるアプリを採用することで、高い利便性を実現します。これにより、予想以上のダウンロード数を獲得しました。
あわせてランクアップ機能を導入し、購入数などに応じて専用クーポンがもらえるシステムも同時に導入しています。複数の施策を組み合わせることで、新規顧客確保だけでなくリピーター創出も実現しました。
また、顧客情報をデジタル管理できる環境を構築することで、顧客管理の簡便化にも成功しています。
参照:30周年記念アプリで再来店促進|ブックオフコーポレーション株式会社
KALDI
コーヒーや輸入食品を扱う「KALDI」は、店舗内に並ぶたくさんの商品を手に取って楽しめるレイアウトを採用していました。
しかし、2021年3月ごろ、感染症対策やX(旧Twitter)での店舗に対する意見などの影響から、多くの店舗が通路を広く取るようレイアウトを大幅に見直します。
これにより、ベビーカーや抱っこ紐を身につけた子ども連れ顧客も来店しやすくなりました。感染症などの影響が気になる顧客からも、買い物しやすくなったなどの好意的な意見が届くようになります。
KALDIの事例は、顧客がより快適に買い物できる環境を整えることで成功した好例といえるでしょう。
参照:通路が狭いという声があったカルディ「通路が広くなった」という証言が出始め、本当に通路が広がったみたい
店舗集客アイデアは自社や店舗の特徴・商圏を意識して考える
集客アイデアはただ検討すればいいわけではありません。自社や店舗の特徴・商圏を意識する必要があります。まずは自社や店舗周辺の環境を分析し、他社にはない強みや自社に必要な施策を絞り込むところから取りかかりましょう。