ショッピングモールが行える工夫とは?顧客満足度を上げて集客につなげよう
多種多様な店舗が入っているショッピングモールには、ファミリー層はもちろん若年層から高齢者まで、さまざまな年齢層の顧客が訪れます。そこで、ショッピングモールではどの層にも長く滞在してもらうため、過ごしやすいと思ってもらうための工夫を行っています。本記事では、顧客満足度を上げるためにショッピングモールが行える工夫についてご紹介します。
目 次
ショッピングモールとは
ショッピングモールとは、化粧品や雑貨などを販売する小売店、カフェやレストランなどの飲食店、映画館などが一つの建物の中に入った複合的商業施設のことを指します。同様の言葉にショッピングセンターがあり、両者の違いは「長い通路」があるかないかです。ショッピングモールの方は、英語の「mall(遊歩道、通路)」を冠した言葉で、長い通路に沿って店舗が並び、歩きながらショッピングができます。
一方、ショッピングセンターの方は通路が長くなくても構いません。とはいえ、日本ショッピングセンター協会の定義では通路の有無は関係なく、ショッピングモールもショッピングセンターと同じ区分に入ります。企業によってはモールとセンターで使い分けているところもありますが、概ね同じような施設と考えて構いません。ただし、長い通路のあるなしによって行える工夫も変わってくるので、そこには注意しましょう。
ショッピングモールのスタイルは変化している?
アメリカではショッピングモール自体の需要減少が顕著ですが、日本ではショッピングモールのスタイルが変化しており、むしろ需要は増えているとされています。日本のショッピングモールの変化について、そのポイントを2つ見ていきましょう。
「駅チカ」が増えている
かつてショッピングモールといえば、広大な立地を必要としたため、郊外の広く確保できる土地に作られ、車で行くのが当たり前でした。しかし、現在のショッピングモールは駅ビルを中心とした複合的商業施設になりつつあり、駅から直結で買い物に行けることを売りにしているところが多いです。そのための駅を中心とした開発も進んでいます。
生活の一部を目指す
ショッピングセンターはただモノを買うだけの場所でなく、そこで過ごす時間を楽しむ場所になってきました。くつろげる場所として提供されるショッピングモールは増えており、滞在時間が増えることにもつながっています。ショッピングモールで過ごす時間が増えるということは、必然的にその時間が生活の一部になるということでもあるでしょう。
生活の一部になれるショッピングセンターを目指すためには、映画館やアミューズメントだけでなく、美容室やエステ、医療施設、保育所、英会話教室など、商品を販売するのではなくサービスを販売する施設を増やす必要があります。これらはモノ消費の時代からコト消費の時代へと消費者の価値観が変化してきたこととも関連しています。
ショッピングモールで行える工夫
ショッピングモールで行える工夫の具体例を、6つご紹介します。
ユニバーサルデザイン
少し前まではバリアフリーと呼ばれることが多かったのですが、障がいを持つ人や高齢者などハンディキャップを持つ人だけでなく、誰にでも使いやすいデザインを目指して近年では「ユニバーサルデザイン」と称することが多くなってきました。具体的には、以下のような例が挙げられます。
- 多機能トイレ、キッズトイレ
- エレベーターやエスカレーターに手すりをつける
- カーペットタイル
- 車椅子専用買い物カート
- 身障者専用リモコンつき駐車場
例えば、多機能トイレは車椅子を使う人やオストメイト(人工肛門や膀胱を持つ人)にも利用しやすく設計されています。キッズトイレは子どもの体格に合わせて作られているため、大人の手を借りなくてもトイレを利用できます。エレベーターやエスカレーターの手すり、カーペットタイルは滑ることでの転倒事故を防げるでしょう。
車椅子を使う人は、これまでの立って使うタイプのショッピングカートは使えないため、買い物をする際にカゴを膝の上に乗せていました。しかし、これでは購入する商品が重かったり、多かったりすると膝に大きな負担がかかります。そこで、車椅子専用の買い物カートが開発されました。身障者専用のリモコンつき駐車場は、ゲートをつけて障害者手帳などの書類を提出した上で登録した人だけが利用できるようにするもので、より身障者の方が施設を利用しやすくするものです。
キッズスペース
ファミリー層、特に小さい子どもを持つ層は、大人が買い物をしている間に子どもが退屈してしまうリスクがあります。そのため、ファミリー層はどうしても滞在時間を伸ばしにくいのがデメリットです。そこで、キッズスペースを作り、子どもにキッズスペースで遊んでいてもらう間に大人が買い物をするというようにすれば、大人もゆっくり買い物ができ、子どもにとっても楽しかったという体験になるでしょう。
キッズスペースについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
「実店舗のキッズスペースにはどんなメリットがある?作り方と注意点も解説」
ベンチの設置
小売店を回って買い物をする間は、ずっと立ちっぱなし歩きっぱなしの状態が多いです。そこで、ベンチやソファなど、座れる場所を設置することで、買い物で疲れた足を休ませられます。高齢者など体力の少ない人に向けても、買うものの多いファミリー層にも嬉しい施策です。若年層もSNSのチェックや更新などをする際に、立ち止まってするよりもベンチで行った方が良いでしょう。
エレベーター、エスカレーター
エレベーターやエスカレーターをわかりやすい場所に設置することで、目的の場所に行きやすくなります。例えば、各階のエレベーターホールを統一し、どの階に言ってもエレベーターを視認しやすくしたり、エレベーターの方角を示す床のデザインや吊り下げ標識などを工夫したりすると良いでしょう。
エレベーターは車椅子やベビーカーの利用者が入っても対応できる広さにしたり、扉を閉めるスピードを遅くしたり、ボタンの位置を低い位置にしたりする対応が重要です。エスカレーターでは、点字ブロック床材はつまずきやすいことが指摘されており、手すりを設置してエスカレーターの位置を示すことが推奨されます。
サイン
駐車場や館内で現在どこにいるのか、どの方向に向かえば何があるのか示したものをサインと言います。例えば、駐車場では出口への文字と矢印などがサインです。特に駐車場や駐輪場では移動速度が速いため、視認性が高く遠くからでもわかりやすいサインが必要です。
館内サインには、何階に何があるかわかりやすくまとまっている掲示板方式のフロア案内と、駐車場などのように釣り下げや壁面に設置する方式の誘導サインがあります。壁面のサインでは特に視認性が重要です。また、フロア案内では何がどこにあるのか、特にトイレやエレベーター、駅とつながっている場合は駅の方向を表示するなど、わかりやすさが大切です。
授乳室
ファミリー層の中でも乳幼児を連れている場合、授乳室は非常に大切です。特に母乳で育児をしている母親にとっては、個室の授乳室があればより親切でしょう。ミルクで育児をしている場合にも、免疫力の低い乳幼児にできるだけ清潔なミルクを準備するため、個室や専用コーナーの設置は必要なものと言えます。幼児と親が一緒に入れるトイレや、オムツを替えられるコーナーも同様です。
きゃらくるカートの設置
キッズ用設備として、きゃらくるカートの導入もおすすめです。きゃらくるカートなら、子どもが楽しくショッピングカートに乗れるため、保護者が子どもから目を離すことなく子どもにも買い物の時間を楽しんでもらえます。滞在時間も伸び、売上アップにつながるほか、子どもにとっても買い物の時間が楽しくなり、「また行きたい」と思ってもらいやすくなるでしょう。
きゃらくるカートについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
「「また行きたい!」のきっかけに。きゃらくるが愛される理由」
まとめ
ショッピングモールとは、ショッピングセンターと同じ複合商業施設のことです。一般的に、ショッピングモールは長い通路に沿って店が並んでいる施設を指します。ショッピングモールの需要は変化しており、駅近で暮らしの一部になるようなショッピングモールが求められる時代になってきています。
そこで、ユニバーサルデザインやキッズスペース、ベンチの設置など、どんな層でも使いやすい工夫が求められます。ファミリー層向けには、保護者が目を離さず子どもも楽しく買い物ができるきゃらくるカートの導入もおすすめです。