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売場効率は売上比較の重要な指標!計算式や事例をまじえて解説します

売場効率は売上比較の重要な指標!計算式や事例をまじえて解説します

小売業においては自店舗と他店舗で売上を比較する際、店舗数や売場面積だけでは正確な比較ができません。そこで、ひとつの指標となるのが「売場効率」です。売場効率を比較すれば、過去と現在で売上が伸びているのか、他店と比較して売上が好調なのか把握できます。

では、どのように売場効率を求めるのでしょうか?この記事では、売場効率の求め方や高め方、具体的な事例について解説します。

売場効率とは?

スーパーマーケットなどの小売業では、様々な数値で店舗の売上を把握します。そのひとつが「売場効率」です。

売場効率とは、店舗の売場を効率的に活用して、企業として期待しているだけの生産性を実現できているのかを数値にしたものです。具体的には、売上効率は売場面積(1平方メートル)あたりの売上高を示します。

なお、売場面積あたりの売上高を数値化した「坪効率」というものもあります。坪(1坪=3.3平方メートルです。)というとおり、売場面積(1坪あたり)の生産性を示す指標です。

売場効率の計算の仕方

売場効率は「売場効率=年間販売額÷売場面積」で求めます。売場面積の合計を年間販売額で割ることで、店舗数や店舗の規模に左右されることなく、他企業や他店との比較ができます。

自店と他店の売上高を比較する際、店舗数や店舗の規模だけを比較しても、正確な比較はできません。なぜなら、店舗数が多く、店舗が大型であるほど売上が高値になる傾向があるためです。

企業あるいは店舗の「純粋な実力」を把握するためには、店舗数や売場面積のみならず、売上効率の数値が必要になります。

【関連記事】
スーパーの利益を上げるには?利益を上げるための考え方と具体的手法

売場効率を高める3つの方法

小売業の売場効率を高めるには

  • 売場面積(1平方メートル)あたりの客数を増やす
  • 利用客ひとりあたりの買上点数を増やす
  • 商品の単価を高値に設定する

この3つの方法があげられます。それぞれ具体的に見ていきましょう。

売場面積(1平方メートル)あたりの客数を増やす

売上は客数×客単価で算出することから、客数が増えればその分売上効率を向上させられる可能性が高くなります。

しかし、昨今では品質が高い商品が増えたり、消費者のニーズが多様化していたりと、「モノ」が売れにくいのが課題です。そのため集客をし、そのうえで客単価も向上させるための対策が必要となります。

なお、集客施策を打つ際は

  • ターゲットを明確にする
  • 商品の魅力をアピールする
  • SNSやアプリなどのメディアを活用する

といったポイントを押さえておきましょう。

スーパーマーケットの集客については以下の記事が参考になるはずです。ぜひチェックしてみてください。

【関連記事】
スーパーマーケットの集客方法を知ろう!現状や必要なことも合わせて解説

利用客ひとりあたりの買上点数を増やす

上記で説明した通り、売上は客数×客単価で算出することから、買い上げ点数を増やすことも売上効率向上のポイントです。

顧客1人あたりの買上点数を伸ばすには、

  • 関連商品を近くに置く
  • ついで買いを促す

この2点が有効です。

・関連商品を近くに置く

関連商品については、野菜のそばに鍋の素を置いたり、パスタのそばに粉チーズを置いたりするなど、文字通りある商品に関連する商品を隣に置くことで買上点数向上が見込めます。

顧客としても、関連商品を同時に購入できることで店内を探しまわる必要がなくなり「売り込み」を感じることなく買い物ができるという利点があります。

・ついで買いを促す

ついで買いはいわば「衝動買い」を促すようなものです。顧客がつい商品を手に取ってしまうよう誘導するのに最適な場所が「レジ前」。レジ前は顧客が財布を開く多イミングだったり、レジに待っていて手持無沙汰な状態だったりします。

そこで、単価の安いお菓子や、季節商品、珍しいものなどをレジ前に陳列することで「つい手に取ってしまう」状況を作れれば、顧客あたりの単価を上げられるかもしれません。

買上点数向上施策については、以下の記事で詳しく紹介しているのでぜひ参考にしてみてください。

【関連記事】
スーパーにおけるレジ前陳列とは?レジ前のものが売れやすい仕組み
スーパーの売り場にはどんな工夫がされている?効果的なディスプレイとは

商品の単価を高値に設定する

商品単価を上げることも、売上効率向上に繋がります。ただし、顧客が普段購入している最寄り品の値段を上げてしまうと、不満につながりかねません。

そのため、単価を上げる際はボリュームを増やしたり、2つ以上の買い上げでおまけがついたりといったお得感を演出する必要があるでしょう。

小売業界で売場効率を向上させた事例

小売業では、企業や店舗の売上を把握するため「売場効率」を活用しています。ここでは、代表的な小売業のスーパーとコンビニで売場効率を向上させた事例を紹介します。

セブンアンドアイホールディングス

コンビニエンスストアのセブンイレブンでは、これまでの「コンビニのPV(プライベートブランド)=安価」という常識を打ち破り、ハイクラスのPB(プライベートブランド)「セブンプレミアム」を展開しています。

当初のセブンプレミアムのアイテム数は49アイテムです。おいしさ、安全、安心などにこだわり、クオリティの高い商品を生み出し、アイテム数を増やしながら15年を迎えています。

セブンプレミアムは2008年の日経優秀製品・サービス賞の「最優秀賞」を受賞しており、コンビニだけでなく小売業全体のPBの在り方を大きく変えました。

コンビニの利用客はコンビニの手軽さを求める傾向にあります。そのなかで、高価でも価値のある商品をラインナップすることで、商品の単価そのものを高値にして売場効率を高めることに成功しました。

【関連記事】
PBとNB。その意味やメリット・デメリット、スーパーでの活用法などをご紹介!

アークスグループ

北海道と北東北に展開する地域密着型スーパーマーケットチェーンのスーパーアークスは、店舗数の多さと安価な価格を特徴としています。

アークスグループは地方部の賃料の安さを強みに、店舗面積を広く持ち、売場により多くの商品を陳列することで、高い売場効率を実現しています。

地方のスーパーと比べると首都圏の賃料は高く、賃料の安い地方部のスーパー以上に高売上効率を出さなければなりません。地方部のスーパーマーケットが生き残るには、アークスグループのように、店舗数の多さと安価な価格の実現が鍵になりそうです。

まとめ

売場効率とは小売店の売場を効率よく活用し、期待している生産性をあげられているかどうかを数値として示した指標です。

売場効率は「売場効率=年間販売額÷売場面積」で求められ、売場面積(1平方メートル)あたりの客数を増やしたり、買上点数を増やしたりすることで向上が見込めます。

この記事が、売場効率向上の参考になれば幸いです。

なお、ファミリー層を店舗内で回遊させる「きゃらくるカート」も売場効率向上施策として有効です。

  • ファミリー層が多く住む地域に店舗を構えている
  • ファミリー層の顧客満足度を向上させたい

という場合には「きゃらくるカート」を利用も検討してみてはいかがでしょうか?