コロナ禍で接触や外出を避ける傾向、ネットスーパーの台頭などにより、実店舗であるスーパーマーケットの客足は徐々に減少傾向にあります。スーパーマーケットの集客方法は見直され、従来通りのマーケティング以外にもさまざまな工夫が求められるようになりました。そこで、今回はスーパーマーケットの置かれている現状と、効果的な集客方法についてご紹介します。

スーパーマーケットの置かれている現状

コロナ禍において、ネット通販の需要が高まっています。接触や外出を避け、実店舗では家の近くにある店舗に行く人も多いです。とはいえ、実店舗を構えるスーパーマーケットにとっては、実店舗での購入促進も必要です。

現代は「モノが売れない時代」と言われています。その理由として、以下のことが挙げられます。

• 品質が高い商品が増え、買い替えの頻度が減った
• トレンドの移り変わりが激しく、流行のスパンがどんどん短くなった
• 消費者の意識、ニーズの変化
• デフレ経済や老後不安など、消費者が高い買い物をすることへの不安
• サブスクリプションの台頭

これらは、いずれも実店舗・小売店業界において大きな打撃になりました。こうした流れの中で、実店舗が集客を行うためにはどうすれば良いか考えなくてはなりません。次章から、具体的な対策を解説します。

集客を行う上で必要なこと

集客を行うためには、以下の3つのポイントに注意する必要があります。

• ターゲットを明確にする
• 商品の魅力をアピール
• 広告を打ち出すメディア戦略

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

ターゲットを明確にする

スーパーマーケットに来店する消費者は、以下のようにさまざまです。

• 2日に1回など、メイン使いのお店として頻繁に訪れる
• 週1回、生鮮食料品の買い出しに訪れる
• 基本は他のスーパーを利用しているが、特売のときだけ訪れる

自社の売り上げを伸ばすために必要な層とは、どの消費者層なのか理解しましょう。

例えば、競合店が近くにあって強いという場合、今は来店頻度が低い消費者をターゲットとして来店頻度や客数を伸ばす工夫が必要です。一方、近くにスーパーマーケットが自店舗しかない場合、来店頻度の高い消費者をターゲットとし、客単価を上げる工夫をしなくてはなりません。

ターゲット層への効果的なアプローチ方法については、こちらの記事も参考にしてください。
「スーパーの客層は変化している！？ターゲット層へのおすすめアプローチとは」

商品の魅力をアピール

ターゲッティングができたら、次はターゲットに合わせた商品やサービスが必要です。

特に、利用店舗の選び方として主な理由となっているのが、食品の品質です。「魚や肉、生鮮食品の鮮度」や「お惣菜の美味しさ」「地元で採れた食材があるか」「焼きたてのパンが販売されているか」などの品質を求めて訪れる人もいます。

お惣菜や焼き立てパンなどは、いずれもネットスーパーやドラッグストアでは取り扱いにくい実店舗ならではの強みになりえます。子育て世帯や働き盛りで自炊が難しい、疲れていてお惣菜で済ませたい、朝に美味しいパンが食べたいなどのニーズを満たせると良いでしょう。

ネットスーパーにはない、実店舗ならではのメリットについてはこちらの記事も参考にしてください。
「ネットスーパーと実店舗はどう違う？それぞれのメリット・デメリットを比較！」

広告を打ち出すメディア戦略

近年では、チラシなどの紙媒体以外にも、インターネットを使ったWeb広告を利用する方法があります。特に、インターネット媒体はターゲットごとにコンテンツを打ち出すなど、特化しやすいのが特徴です。

• SNS
• チラシアプリ
• 自社ホームページ
• 専用アプリ

それぞれのメディア戦略について、詳しくは次章で後述します。

効果的な集客方法4つ

では、スーパーの効果的な集客方法を4つご紹介します。

広告

デジタル広告に加え、チラシなどのオフライン広告も現代で十分効果を発揮します。どれを使うかはそれぞれのメディアの特徴、メリット・デメリットを理解して使い分けましょう。それぞれのメディアの特徴やメリット・デメリットを以下にまとめました。

SNS

• 利用料が無料
• フォロワー数が増えれば、多くの人に無料で情報発信しやすい
• 顧客情報に基づいたアプローチはできない

チラシアプリ

• 他社利用顧客も含めた幅広い消費者層に対し、チラシやクーポンを配信可能
• チラシやクーポンのボリューム、配信期間によって利用料が発生
• 顧客情報の収集には期待薄

自社ホームページ

• 自由に情報発信できる
• アクセス数を集められれば、リーチ単価を下げられる
• アクセス数を集めるには、店頭や他媒体での告知活動や更新頻度がカギ
• 顧客情報を集めることはできないため、個別のアプローチには向かない

専用アプリ

• 一から作るには費用が多額
• 他の施策と比べ、アプリダウンロードにはハードルが高め。告知だけでなく、ダウンロード特典が必要と考えて良い
• 自由に発信OK、チラシやクーポン配布以外にも通知できる

紙媒体のチラシ

• 昔ながらの方法で、ノウハウやフォーマットが蓄積されている
• 新聞を取っている層にとっては、今でも効果的な集客方法と言える

口コミ

インターネットの発達した現代でも、やはり口コミは重要な集客方法です。特に、ネットの口コミサイトなども人気なのはその裏付けでしょう。TwitterやInstagramなどのSNSを使い、口コミを書いてもらうことで集客につなげる方法もあります。

イベント

年中行事はもちろん、トレンドや店舗独自イベントが重要です。

年中行事では、お正月やお盆、クリスマスなどに関連する食材をまとめて売る方法があります。バレンタインのチョコ、大晦日のお蕎麦なども有力です。

また、今、このタイミングで世間が欲しいもの（地域の特色に合わせたイベント、SNSのトレンドなど）を仕入れるのも良いでしょう。目新しさや流行に敏感なスーパーマーケットだという認知を広められるため、若者世代をターゲットとするのにおすすめです。

店舗独自イベントとして、創業○周年や県民・市民の日などを取り入れる手もあります。店長の誕生日など、さらにユニークでニッチな記念日を作るスーパーもあり、他店との差別化をはかり独自性を打ち出すのに役立ちます。

イベントの際には、ポップや飾りつけも重要です。必要以上のコストをかけなくても構いませんが、楽しさと非日常感を感じられるような演出を心がけましょう。

子ども連れにやさしい

スーパーマーケットの主力ターゲット層は、今でもファミリー層です。特に、子育て中のファミリー層にやさしい環境づくりを行いましょう。子ども向け、ファミリー層向け設備として、きゃらくるカートがおすすめです。

ファミリー層にきゃらくるがおすすめな理由は、こちらの記事にも詳しく書かれています。
「「また行きたい！」のきっかけに。きゃらくるが愛される理由」

まとめ

「モノが売れない時代」と呼ばれる現代、スーパーマーケットでも集客の工夫が必要です。ターゲッティング・商品の魅力アピール・メディア戦略の3つのポイントを意識しましょう。効果的な集客方法として、今回ご紹介した方法をぜひ参考にしてください。