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ロイヤルカスタマー戦略を成功させるための分析方法とツールを解説

ロイヤルカスタマー戦略を成功させるための分析方法とツールを解説

ロイヤルカスタマーは、ただ商品やサービスを提供しているだけでは創出できません。企業や店舗のファンを生み出すには、そのための戦略が必要です。

本記事では、ロイヤルカスタマーを創出・育成するための戦略と、そのために必要な顧客分析について解説します。

ロイヤルカスタマー戦略とは

企業が長期的に売上を伸ばすには、企業や商品・サービスのファンとして定着してくれるロイヤルカスタマーは欠かせない要素です。

ロイヤルカスタマー戦略は、このロイヤルカスタマーを創出・育成することで、安定した経営や売上向上などを狙います。

なお、ロイヤルカスタマーの概要や全体像については以下の記事にてより詳しく解説しております。興味を持たれた方は以下をご覧ください。

【関連記事】
ロイヤルカスタマーとは?事例や育成方法を紹介

ロイヤルカスタマー戦略を成功させる手順

ロイヤルカスタマー戦略にはさまざまな方法がありますが、成功させるには基本の手順を守る必要があります。戦略を検討・実施する際は、以下の流れに沿って行いましょう。

1.定期的に情報発信できる環境を整える

まずはSNSやチラシなどを用いて、自社の顧客と接点を持てるチャネルで定期的に情報発信します。

交互にコミュニケーションが取れるSNSが理想ですが、あくまでも自社顧客のロイヤルカスタマーになりうる顧客が好む方法を選択するのがポイントです。

2. 他の顧客と異なるメリットや体験を提供する

ロイヤルカスタマー戦略を成功させるには、一般顧客との違いを対象顧客が理解し、特別感を得られるような仕掛けも必要です。具体的には、以下のようなメリットや体験を提供します。

  • ランク付会員制度の設立
  • 誕生月限定キャンペーン・プレゼント
  • 新商品詳細情報の早期配信
  • 会員限定情報や商品の提供
  • ロイヤルカスタマーおよびその候補との製品・サービス開発企画
  • コミュニティサイトの設立

これらのメリットや体験を提供する際も、ロイヤルカスタマーになりうる顧客が好む方法を選びましょう。

3.PDCAを回し続ける

実施したすべての施策が成功するとは限りません。複数の施策から効率的かつ最適な方法を選択できるよう、PDCAを回し続ける環境を構築することも大切です。

次の章で解説する分析方法を活用しつつ、ロイヤルカスタマーの醸成がされているかKIPを立てつつ効果測定しましょう。そのうえで結果を踏まえた改善策を実施します。

顧客ロイヤリティの分析方法

ロイヤルカスタマー戦略を実施するには、まず自社の顧客ロイヤリティを把握するところから始める必要があります。顧客ロイヤリティの分析方法をおさえておきましょう。

NPS

NPSとは、顧客が商品やサービスに抱いている愛着や信頼の度合いを数値化する指標です。実施の際は、顧客に「この商品・サービスを友人や知人にすすめたいと思いますか?」というアンケートを取り、0~10段階で評価してもらいます。

回答内容により、アンケートに回答した顧客を以下の3つに分類します。

  • 0~6点:批判者
  • 7~8点:中立者
  • 9~10点:推奨者

推奨者が多く批判者が少ないほど顧客ロイヤリティは高いと判断できます。また、回答理由も質問すれば、商品やサービスを愛用している背景も確認可能です。

LTV

LTVとは「Life Time Value(顧客生涯価値)」で、顧客が生涯で商品・サービスを継続的に利用することで企業が得られる総利益を指す用語です。

既存の顧客が継続して商品やサービスを購入または利用することで高まります。LTVを向上できれば、新規顧客を獲得するコストを抑えつつ、効率的に利益を上げられます。

計測の際は主に行動面の数値、具体的には、以下の数値を利用します。

  • 利用期間
  • 頻度
  • 金額

計算方法は複数ありますが、よく採用されているのが以下の計算方法です。

1回の平均購買単価×収益率×購買頻度×継続購買期間

顧客ロイヤリティの高い顧客ほどLTVの数値は大きくなるため、主にロイヤルカスタマーの選定に使われます。

RFM

RFMとは以下3つの指標を使って顧客を分類する手法です。

数値効果判断
Recency (直近の購入日)顧客がアクティブかを把握できる購入時期が現在に近い顧客を優良顧客と判断する
Frequency (購入頻度)自社商品やサービスの継続利用状況を把握できる常連顧客の洗い出しができる購入回数が多い顧客を優良顧客と判断する
Monetary (購入総額)自社の売り上げに貢献する顧客を可視化できる購入総額が多い顧客を優良顧客と判断する

分類したグループごとに的確なマーケティング施策を行うことで、LTV最大化を目指すのがこの分析の目的です。分析後は、以下3つのカテゴリーに顧客を分類します。

  • 優良顧客:高頻度で高額商品を最近購入した顧客
  • 新規顧客:新規で購入した顧客
  • 休眠顧客:しばらく購入履歴の無い顧客

顧客の購入や利用動機などの細かい理由は、この分析方法だけでは分かりません。しかし、ほかの分析と組み合わせることで、顧客ロイヤリティをより詳細に分析できます。

Churn Rate

Churn Rateは解約率を示す指標です。購入商品のキャンセルやサブスクリプションの解約などから顧客ロイヤリティを判断します。率が低ければ低いほど優秀なサービスであり、高い場合は何らかの改善が必要であると判断できます。

サブスクリプション形式のサービスなどを導入している場合に活用できる分析方法です。

顧客満足度

顧客満足度は商品やサービスに対して顧客がどれだけ満足しているかを示す指標です。商品やサービス購入前の期待値と購入後に感じた実際の価値を数値化します。具体的には、アンケートやヒアリング調査であるCSIやJCSIを用います。

  • CSI:顧客に顧客期待値や不満度の質問を行いその数値の平均点を算出することで、購入前期待値と購入後に感じた実際に価値差を測定する
  • JCSI:上記測定方法を日本人向けに改良したもので「購入後に感じた実際の価値-購入前の期待値」で算出する

これらの数値はロイヤルカスタマーの分析だけでなく、商品やサービスの宣伝などにも用いられています。

ロイヤルカスタマー戦略の具体的な方法

ロイヤルカスタマーの分析方法を抑えたら、実際の戦略では何をすべきなのかをおさえましょう。代表的な方法を解説します。

カスタマーサービスの改善

カスタマーサービスへの不満は、ロイヤルカスタマー創出や育成における妨げになります。自社カスタマーサービスの現状を見直し、必要に応じて改善しましょう。

カスタマーサービスへの不満は製品やサービス・ブランドだけでなく企業全体への信頼にもかかわる要素です。定期的にチェックしましょう。

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カスタマージャーニーを作成し顧客体験を見直す

現在、顧客は商品やサービスの質だけでなく認知から比較・購入サポートなどのあらゆる体験を重視して利用するものを選んでいます。ロイヤルカスタマー創出には、顧客体験全体を見直し、必要に応じた改善策も必要です。

カスタマージャーニーマップなどを活用し、顧客が購入に至る段階での接点を最適な状態にするのも、戦略のひとつといえます。

ファンコミュニティの作成

企業やブランドのファンコミュニティはロイヤルカスタマーによるメリットを享受しやすい環境構築に有効です。自社サイトやSNSを用いれば、顧客育成だけでなくユーザー同士の交流などを通してさまざまな効果を得られます。

顧客がコミュニティを活用していくうちに、企業に対する信頼関係も生まれます。顧客同士が交流を持てる環境を作るのも、重要な戦略です。

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デジタルツールの活用

ロイヤルカスタマー創出・育成には、顧客情報を収集・管理・分析する必要があります。この作業にデジタルツールを使うのも有効な戦略です。デジタルツールは業務効率化効果だけでなく、高精度な分析も可能にします。

利用できるツールはたくさんありますが、多くの企業で採用されているものとしては、以下のものがあげられます。

ツール名内容
CRM (顧客関係管理ツール)氏名や購買履歴など、企業と顧客が良好な関係を築くための情報を集約管理する
SFA (営業支援ツール)営業部門の顧客情報や案件管理を自動化・一元化して効率的な営業活動を可能にする
顧客満足度・ロイヤリティ調査ツールアンケート調査などをもとに顧客の企業やブランドに対する信頼・愛着を調査する

顧客情報を効率的に管理できる環境を構築するのも、有効な戦略です。使えるツールがあれば、積極的に取り入れましょう。

適切な分析と戦略でロイヤルカスタマー戦略を成功させよう

ロイヤルカスタマー戦略は、適切な分析とそれを基にした立案が重要な要素です。ただ闇雲に戦略を立てるのではなく、自社や顧客のことをよく理解したうえで計画・実施しましょう。