ロイヤルカスタマーはなぜ重要?成功事例から学ぶ効果とやり方
ロイヤルカスタマーはスーパーマーケットをはじめとした小売店が、安定した経営をするうえで欠かせない存在です。では、なぜロイヤルカスタマーは重要なのでしょうか。
この記事では、ロイヤルカスタマーの重要性や成功事例をまとめています。ロイヤルカスタマーの重要性を確認するだけでなく、顧客確保のためのヒントも得られるはずですので、ぜひご覧ください。
目 次
ロイヤルカスタマーの重要性
ロイヤルカスタマーは、そのほかの顧客に比べて購入単価が高めになる傾向があります。また、紹介などの形で新規顧客を呼び込んでくれるのも特徴です。
これらの特徴から、安定した経営や集客・売上向上を達成するにはいかにロイヤルカスタマーを増やすかが重要なポイントとなります。
ロイヤルカスタマーの効果や重要性は、以下の記事にてより詳しく解説しています。興味を持たれた方はこちらもご覧ください。
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ロイヤルカスタマーを確保するのに役立つ施策
ロイヤルカスタマーを確保する施策としては、以下の方法がよく用いられています。施策を検討する際は、まず以下の方法が活用できないか検討するところから取りかかりましょう。
ロイヤリティプログラムの実施
ロイヤリティプログラムとは、購入回数や新規顧客紹介数により顧客をランク化し、ランクに応じたサービスを提供するシステムです。ロイヤルカスタマー確保の施策として、多くの業種・企業で取り入れられています。
価格面以外の価値を提供することで、企業や店舗により愛着や信頼を感じてもらえる方法でもあります。
スーパーマーケットの場合、ポイントカードなどの施策で採用されている方法です。会員本人だけでなく、紹介を受けた方にもメリットを与えるなど、集客の手段としても活用されています。
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教育やシステムの見直し
顧客が見ているのは、企業や店舗の商品だけではありません。それらを提供する従業員の接客などもチェックしています。
顧客に良質な購買体験を提供できるよう社員教育に力を入れることも、ロイヤルカスタマー確保における重要なポイントです。
レジなど直接顧客と接する業務につくものに接客マナーを教育するのはもちろん、企業や店舗の方針などを明確にしておくことも大切です。方針が明確であれば、従業員はそれに沿って自発的に行動できます。
また、従業員だけでなく企業や店舗のシステムも顧客はチェックしています。使いにくいポイントシステムなどは、顧客満足度を低下させる要素です。
改良が必要なシステムの放置は、ロイヤルカスタマーの確保はおろか、通常顧客の離脱を招きかねません。
ネットスーパーや会員証アプリなどを導入している場合は、利便性や操作性にも配慮できているかを定期的にチェックしましょう。
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ロイヤルカスタマーの成功事例
ロイヤルカスタマー創出の成功事例は実に多彩です。自社の施策を成功に導くには、商圏や顧客分析だけでなく成功事例から学ぶ必要もあります。ロイヤルカスタマー創出の成功事例を紹介するので、参考にしてください。
株式会社セブン-イレブン・ジャパン
全国にコンビニやスーパーマーケットを展開しているセブンイレブンは、アプリを利用したプロモーション施策の実施でロイヤルカスタマーを確保しています。
アプリによるクーポン配布や毎週の新商品情報などを発信し、顧客の購買意欲を刺激しつつロイヤリティ向上につなげる戦略です。同時にアプリから顧客データを収集・分析することで個々にあったアプローチを実現しています。
ただロイヤリティを向上するのではなく、一般顧客をロイヤルカスタマー化させる活動にも役立っています。
セブンイレブンの事例は、店舗アプリやポイントカード・クーポンなど複数の施策を利用することで、顧客のロイヤルカスタマー化を促進している好例といえるでしょう。
参照:セブンイレブン公式アプリ
ロクシタンジャポン株式会社
高級スキンケアやメイク商品を扱うロクシタンでは、マーケティング支援ツール導入とロイヤリティプログラムの実施により、ロイヤルカスタマー化を実現した事例です。
ロクシタンは元々RFM分析を導入したデータをもとに顧客分析を行っていました。しかし、実店舗の利用頻度が低い顧客がリストに混じるなど、正確な分析やその反映が上手くいかなくなる状態に陥ります。
そこでロクシタンは、顧客一人ひとりの購買履歴を閲覧管理できるシステムを導入しました。これにより購買意欲の高い見込み客が一目で分かるようになります。
あわせて該当する顧客へ優先的に接客や売り込みできる体制を整えることで、問い合わせ数を従来の約5倍まで増やすことに成功しました。
同時にLINEの公式アカウントを導入し、ロイヤルカスタマーにロイヤリティプログラムを提供しています。LINEスタンプの付与や限定案内サービスにより、顧客ロイヤリティ向上にも成功した事例です。
餃子の王将
中華料理チェーン店を全国展開している餃子の王将では、ロイヤルカスタマー向けに会員カードを発行しています。
カードで集めたスタンプ数に応じて会計が割引されるシステムや、オリジナルグッズがもらえるキャンペーンを実施することで、ロイヤルカスタマーを創出しました。
スマホアプリでもスタンプは集められますが、あえてカードを発行したのが餃子の王将が成功したポイントです。あえてカードを発行して顧客同士の差別化を図り、カードを持っている顧客が優越感を感じられるよう演出しました。
結果、来店顧客数向上につながっています。顧客満足度は意外と簡単な演出でも向上できると分かる好例です。
参照:ぎょうざ倶楽部のご案内
株式会社NTTドコモ
電話回線をはじめとした日本の通信を支えている通信会社であるNTTドコモでは、顧客が商品やサービスを利用している期間をロイヤルカスタマーの指標としています。
NTTドコモでは自社商品・サービスや提携店舗を利用した際に使えるdポイント倶楽部を提供しています。このポイントシステムの特徴のひとつが、年間利用金額と同社回線の継続利用期間を指標としている点です。
例えば、回線を15年以上継続利用している顧客は、利用金額に関わらず最上位ステータスに該当します。
金額だけでなく継続期間を指標とすることで、長く商品やサービスを愛用している顧客の離脱を防いでいます。また、ロイヤルカスタマーの指標を明確にし、反映させているのも、顧客のロイヤルカスタマー化を促進させるテクニックです。
ポイントカードを用いた施策は多くの企業が採用しています。しかし、顧客を引き付けてファン化させるにはそのための工夫が必要です。
NTTドコモの事例は、顧客目線の発想があれば、ありふれた施策でも十分効果を出せることを証明した事例であるといえます。
ロイヤルカスタマー化の成功事例から新しい施策を検討しよう
ロイヤルカスタマー化につながる施策は、実に多彩です。一見ありふれた施策でも、驚くような結果を生み出すこともあります。施策を成功に導くためにも、成功事例を分析し自社に必要な視点やアイデアを積極的に取り入れましょう。