囲い込み戦略とは?マーケティング戦略を具体例と事例を交えて解説
スーパーマーケットにおける囲い込み戦略とは、顧客を定着させるとともに、競合への流出を回避するためのものです。顧客のニーズが多様化するなか、スーパーマーケットの各店舗ではすでにさまざまな囲い込み戦略を展開しています。
そのため、スーパーマーケットが生き残るために囲い込み戦略必須の取り組みだといえるでしょう。この記事ではスーパーマーケットでの囲い込み戦略について、具体例と事例を交えて解説します。
目 次
囲い込み戦略の意味とは?
囲い込み戦略とは、商品を販売したりサービスを提供したりしている企業が、現時点での顧客を固定化(ファン化)し、永続的な商品の購入やサービスの利用を見込むことをいいます。
つまり商品の販売であればリピート購入、サービスの提供であれば継続利用を促し、長期的かつ安定的な売上の拡大につなげるというわけです。
顧客を囲い込むことで、既存の顧客の離脱、または、他店舗の商品や他の企業のサービスに流出するのを防ぐことが期待できます。
囲い込み戦略のメリットとは?
囲い込み戦略は企業と顧客の間で長期的な信頼関係を構築することとも言い換えられます。
では、顧客を囲い込むことで、企業にとってはどのようなメリットがあるのでしょうか。
顧客をリピーター化できる
囲い込み戦略のメリットとして、まず、顧客をリピーター化できることがあげられます。リピーターが増えれば、さらなる商品の購入やサービスの申し込みや利用につながることはいうまでもありません。加えて、リピーターは商品やサービスの「広告塔」ともなり得ます。
例えば、商品やサービスについて知人に話したり、SNSで紹介したりするなどです。リピーターの口コミによって自社商品やサービスに興味・関心を持つ新規顧客の獲得にもつながるかもしれません。
顧客情報を蓄積できる
囲い込んだ顧客がどのような商品を購入したのか、どのようにサービスを利用しているのか、長期的かつ継続的に情報を蓄積することができるのも、囲い込み戦略のメリットです。蓄積した情報は、その後のマーケティング戦略や、新しい商品・サービスの開発に活用できるので、さらに新規顧客につなげられます。
継続的な収益を確保できる
顧客を囲い込めると継続的な収益を確保できます。「顧客離れ」を防ぐことができ、顧客が何度も商品を購入したり、長期にわたってサービスを利用したりするのを促せるためです。安定した収益の確保は企業にとって大きな課題です。囲い込み戦略は、そんな企業の課題をも解決します。
囲い込み戦略の具体例
マーケティングという観点からみてみると、どのような手法やツールを用いれば顧客の囲い込みができるのでしょうか。重要なマーケティング用語と活用例を取り上げます。
リードナーチャリングの実施
リードナーチャリングは、「これまでに獲得した見込み顧客」=リードと「育成すること」=ナーチャリングを組み合わせた言葉です。日本国内、特にマーケティングにおいては「見込み客の育成」という意味として使用されています。
例えば、ダイレクトメール(DM)やメールマガジンなどによって顧客の購買意欲を高めたり、SNS・店頭イベントなどで定期的に有益な情報発信したりするような手法があげられます。
POSレジを活用した販売促進施策の実施
POSレジを活用した販売促進施策の実施も、近年は増えています。POSレジを活用することで顧客情報を取得できるため、どのようなタイミングでどのような顧客がどのような商品を購入するのか予測を立てることが可能です。
顧客の視点でみると、自分が求めているものが在庫として用意されている状態になるので「このお店だからまた来たい」という感情を付与させられます。
また、POSレジはウェザーマーチャンダイジングやインストアマーチャンダイジングとも相性が良いのも特徴です。以下に関連記事を紹介しているので、ぜひこちらもご確認ください。
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ロイヤルティプログラムを実施する
ロイヤルティプログラムとは自社商品の購入者に対して何かしらの特典を付与するマーケティング戦略です。
例えば、クーポン・ノベルティなどが挙げられます。ロイヤルティプログラムは、特典をもらえるという「お得感」に加え、リピート顧客の帰属意識に訴えかけることでファンの獲得につなげられるのが特徴です。
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カスタマーサクセスを充実させる
カスタマーサクセスを充実させることも顧客の囲い込みには有効です。カスタマーサクセスとは商品を購入したり、サービスを利用したりする顧客に対して、企業側が成功体験の実現を支援します。
例えば、ユーザーコミュニティーを運営したり、商品の使用方法をわかりやすく説明したり、利用しているサービスの活用方法を紹介したりすることがあげられるでしょう。
その結果顧客が商品を有効活用したりサービスを有効利用したりすれば、成功体験につながり、他の商品の購入やサービスの継続利用につながります。
顧客の囲い込み戦略の事例
顧客を囲い込むため、各企業ではさまざまなマーケティング戦略を打ち出しています。顧客の囲い込みには多種多様な方法があり、その企業の商品やサービスの特性を考慮したものする必要があるでしょう。
ここでは、多くの企業で取り入れられ、囲い込みの効果を実感しやすい具体例をご紹介します。
ポイントシステムやアプリを導入する
顧客の囲い込み戦略としてはポピュラーともいえるポイントシステムやアプリの導入。ポイントシステムでポイントを貯めたり、アプリでクーポンを配布したりするなど、通常よりお得に商品を購入できるため、リピーターの獲得につながりやすいのが特徴です。
ポイントカードやアプリを利用する際に、会員登録を必須とすれば、最低限の顧客情報を得られるという利点もあります。
ただし、導入しやすいことから、市場が飽和し、これまでのような効果を出す難易度が高くなっていることには注意しなければならないでしょう。
では、どのような企業がポイントシステムやアプリを導入しているのでしょうか。代表例として首都圏を中心に展開するスーパーマーケットチェーン「ライフ」があります。
電子マネー機能付きオリジナルポイントカード「LaCuCa」は、ポイントチャージ機能だけでなく、チャージせずに現金やクレジット支払いをしたときに通常のポイントカードとしても利用可能。税抜200円ごとに1ポイントが貯まり、1ポイント=税込1円として各店舗で利用可能です。
また、電子マネーで支払うと、さらに税抜300円ごとに1ポイントが上乗せされるという還元率の高さが特徴としてあげられます。
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「クーポンはリピーター獲得にも効果的!?メリットや配布方法をご紹介」
SNS(ソーシャルネットワークサービス)を活用する
スーパーマーケットに限らず、様々な企業がSNSを活用して自社の商品やサービスを宣伝しています。インターネットの普及に伴い、チラシ頼みの販促から脱却して、効率的に顧客を囲い込む動きが加速しているといえるでしょう。
スーパーマーケットでいえば、公式のSNSでお買い得商品や新商品、旬の食材を使用したレシピを投稿することで、商品の販売数を伸ばすことを目的とします。
例えば、スーパーマーケットチェーンの「イトーヨーカドー」のTwitterでは、商品の紹介にとどまらず、プレゼントキャンペーンを実施したり、その日の占いをアップしたりするなど、Twitterの閲覧者が積極的に参加したり定期的に見たくなったりする仕組みがみられます。
まとめ
囲い込み戦略とは、顧客を囲い込むことで商品の購入やサービスの利用を促すとともに、他店舗や他サービスに流出することを防ぐものです。
顧客の囲い込みに成功すれば、安定的な収益を見込むことができるため、企業にとってのメリットは非常に高いといえるでしょう。この記事が自社の囲い込み戦略実施の際の参考になれば幸いです。
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