スーパーのPOPはなぜ必要?POPが果たす役割や作り方を知ろう
スーパーでは商品の近くに必ずと言っていいほど置かれているPOP。近年ではデジタルサイネージも導入されるなど、ますます工夫されています。しかし、スーパーマーケットではなぜこのようにPOPがたくさん使われているのでしょうか。
本記事では、POPがどのような役割を果たしているか、誰がPOPを作っているのか、売上アップにつながるPOPの作り方などを詳しくご紹介します。
目 次
POPとは?
POPとは「Point of Purchase advertising(購買時点広告)」の略で、購買する場所、すなわち売り場に設置されている広告や展示物のことを指します。小売店のPOPは商品の使い道を説明するカードや割引を目立たせるプライスカードなどでよく見慣れているでしょう。ポスターやタペストリー、卓上スタンド、展示パネル、のぼりなどもPOPの一部です。近年では、デジタルサイネージを使って動画を流すデジタルPOPも増えてきています。
POPは店舗の中や外、さまざまな場所に設置されています。基本的には売り場に設置されているプライスカードや商品カードがよく知られていますが、レジ横でおすすめ商品や新商品をPRしたり、ついで買いや買い忘れを思い出してもらったりするのも一つの方法です。入口付近や催事場にはポスターやのぼりを作り、ショップ自体や催事場の存在をアピールします。
POPにはどんな役割がある?
上記のようにさまざまな手法があるPOPですが、POPが持つ役割はどんなものなのでしょうか。ここでは、POPの持つ6つの役割についてご紹介します。
購買意欲を高める
POPを設置する最も重要な目的は、顧客の購買意欲を高め、商品の購入を後押しするものです。POPで商品の情報をアピールすることで、顧客が購入を迷ったときの最後の一押しにもなります。特に、具体的にどんな商品を購入するか決めずにふらりと来店した人におすすめです。
スーパーでは特に、味を表現したり、美味しい食べ方を提案したりしたPOPが多く見られます。顧客に商品の情報や特性を理解してもらい、アピールする役割を果たしているということです。
認知度を上げる
たいていのPOPはカラフルで目立つように作られているため、商品の存在に気づいていなかった顧客にも商品をアピールし、購入につなげられます。まだよく知られていない新商品を告知する役割はもちろん、季節商品やイベント限定商品を知ってもらったり、安さやセール品などをアピールしたりすることもできるでしょう。
あることを知らなかっただけで買いたかった、もしくは知ったことで欲しくなった、などの層に効果的にアプローチできます。
商品の魅力を伝える
POPには、商品の魅力を伝えるという重要な役割があります。トマトが美味しいかどうかは、実際に食べてみないとわかりません。しかし、POPに「甘みがあってフルーツのように美味しい」などと買いてあれば、味のイメージが具体的に描けます。このように、商品の良さやセールスポイントをPOPに買いて設置しておけば、顧客が商品を選ぶときの決め手になるでしょう。
商品のパッケージやチラシでは、限られた面積内で商品の魅力を伝えきれないことも少なくありません。加工品なら材料や製法、生鮮食料品なら生産者のこだわりなどを書くことで、商品の価値をアピールすることにつながります。
スタッフの説明の手間を省く
商品を購入するかどうか迷ったとき、詳細な説明を求める顧客は少なくありません。店舗スタッフが運良く時間が空いており、対応できれば良いのですが、特にスーパーなどの小売店ではスタッフは品出しなどに忙しく、十分な顧客対応ができない場合もあります。店舗スタッフに尋ねようとしても近くにいなければ質問するのをやめ、購入もやめてしまう、というケースも多いのです。
そこで、商品の詳細な説明をしてくれるPOPを設置しておくことで、顧客に十分な情報を与えられ、スタッフでなくても詳細な情報を提供してくれます。スタッフによる説明の手間を省くことで、スタッフの業務効率化にもつながり、顧客の購買意欲損失の防止にもなるでしょう。また、スタッフに接客されるのが苦手な顧客に対しては、POPの情報が非常に役立ち、購入の手助けをしてくれます。
店舗のイメージ作りの一つになる
POPはカラフルで目立つものが多いため、店内に活気を与えたり、賑やかな雰囲気を作ったりするのに役立ちます。店内の大掛かりなレイアウト変更などを行わなくても、POPを変えるだけで店内のイメージを変えたり、季節のイメージやイベント開催の雰囲気を伝えたりすることもできるでしょう。
○周年、キャンペーンなどイベント時にはいつもと違う雰囲気のPOPを飾ることで、特別感をアピールできます。POPは目の前にいる顧客に直接訴求できる販促ツールであり、小売店では手作りのPOPで、臨場感や温かみのある、親しみやすい雰囲気を演出することも可能です。
店舗内の案内になる
ここまで商品の訴求について主にご紹介してきましたが、POPは商品を訴求するだけでなく、どの商品がどこに置いてあるかを明確にするという役割もあります。顧客に親切で使いやすい店舗であるというイメージを持ってもらえば、またあのお店に行こう、と思ってもらいやすいでしょう。近年では、売り場案内にデジタルサイネージを導入する店舗も増えてきました。
POPは誰が作る?
POPは誰が作っているのでしょうか。ここでは、大まかに3つに分けて説明します。
店舗スタッフ
スーパーで一番馴染みがあるのは、店舗スタッフが現場で独自に作成しているPOPではないでしょうか。手書きによって親近感がある、温かみが伝わるPOPが作れますが、ブランドなどのガイドラインから外れたPOPになってしまうこともあるのが難点です。
メーカー
商品を製造・販売しているメーカーが作り、商品とともに提供するPOPです。商品のディスプレイにもそのまま使えるような、立体的なPOPや、販促キャンペーン用のパネルつきのものなどがあります。
流通
チェーンのスーパーマーケットなどの場合、本部のスタッフが一括で作成し、各店舗に配るPOPもあります。特にチェーン店で、全店舗で実施するセールやキャンペーンの告知などに多く使われる手法です。
販売数を増やすPOPの作り方とは?
では、販売数を増やすためのPOPを作るには、具体的にどんなことに気をつければ良いのでしょうか。ここでは、3つのポイントに絞って解説します。
ターゲットを明確に決める
マーケティングの基本中の基本とも言えますが、どこをターゲットとして訴求するのかしっかり決めておきましょう。年齢・性別・生活スタイル・属性など、ペルソナを決めておくのも良いでしょう。POPを設置することで誰にアピールしたいのかを明確に設定することで、POPの雰囲気やデザインもより具体的に固まってきます。
キャッチフレーズを絞り込む
商品をアピールすると言っても、あれもこれもと伝えたいことを書きすぎるのはかえって良くありません。例えば「塩焼きがおすすめ!」など、最も伝えたいことを1つに絞りこみましょう。その下に商品説明や他のアピールを小さく入れるのは構いません。最後に商品名や価格を大きめに記載し、購買への流れを作りましょう。
従業員のコメント、口コミなどを記載する
近年、顧客は商品を購入する前に一度SNSやレビューサイトを見て、商品がハズレでないか、使い心地が自分に合っているかを決める傾向があります。そこで、SNSやレビューサイトと同じように、従業員のコメントや顧客の感想などをPOPにするのもおすすめです。親近感が湧くだけでなく、具体的に商品を調理したり利用したりするイメージが浮かぶことで、購買意欲も高まるでしょう。
まとめ
POPはいわゆるプライスカード、商品説明カードがメインですが、店舗内外に設置されるのぼりやポスター、展示パネルなどもPOPの一種です。POPは商品をアピールして商品の魅力を伝えたり、購買意欲を高めたり、店舗スタッフの手間を省いたりする役割があります。店舗スタッフが書くことありますが、メーカーや流通側が用意することもある広告です。効果的なPOPを作るためには、今回ご紹介した内容を中心にまとめてみてはいかがでしょうか。