株式会社ジョイパレットが提供する「きゃらくるカート」のレンタル・メンテナンスなどの総合案内サイトです。
Supported by
株式会社ジョイパレット
コラム コラム

スーパーの売り場にはどんな工夫がされている?効果的なディスプレイとは

スーパーの売り場にはどんな工夫がされている?効果的なディスプレイとは

スーパーマーケットの売り場は決して適当に配置されているわけではありません。消費者にとって、より利用しやすく、購買意欲を高めるような売り場作りが重要な課題です。

そこで、今回はスーパーの売り場で行われている主なディスプレイの工夫についてまとめました。効果的なディスプレイ方法を知りたい売り場担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

エンド売り場で魅せる

エンド売り場とは、主通路に面して設置されている棚(ゴンドラ什器)の端の部分を指します。エンド売り場には「新・旬・トレンド商品の購入を促すこと」「中通路にお客さんを引き込むこと」の2つの役割があるとされています。では、そのためにどのような工夫を行えば良いのでしょうか。

テーマを設ける

1つのエンドには1つのテーマを設定し、何を売りたい場所なのかはっきりわかりやすくしましょう。「カレー・シチュー」「新商品ポテトチップ」「定番カップ麺」「年末年始」など、テーマは一言二言で簡潔に説明できるものにします。

テーマを決めたらそれで統一し、他のテーマも詰め込もうとしないのがポイントです。ただし、関連商品を置くのは良いでしょう。「ついで買い」を促すためにも、「カレー・シチュー」テーマのエンド売り場にコーンの缶詰を置くなどの工夫はおすすめです。

インパクトを与える

遠くからでも、エンド売り場に気づいてもらう必要があります。そのためには、以下のような方法が考えられます。

  • 商品のフェイス数(一面に並ぶ数)を多くする
  • 縦割りで目に触れやすくする

売り場そのものも、商品もパッと見てわかりやすく、目立たせることが重要です。エンド売り場は新商品や旬・トレンドを取り扱うため、店舗に入ってきた人の目をパッと引くようなインパクトのある売り場にしましょう。

適度に売り場変更をする

エンド売り場はその性質上、定期的に売り場変更する必要があります。一般的に、エンド売り場を変更するタイミングの目安として、以下の5つがあります。

  • 新商品売出しのとき…週に1回
  • チラシを打つとき…週に1~3回
  • イベントがあるとき…月に数回
  • 季節性商品を扱うとき…基本的に年4回
  • 話題の商品を扱うとき…不定期

特に、グロサリー(生鮮食品以外の食料品、日用品)部門では週に1回、新商品が入れ替わるタイミングで売り場変更するのが一般的です。こうすることで、新商品が消費者の目に触れやすく、購買促進につながりやすいでしょう。

陳列の工夫

陳列の工夫として、よく使われるジャンブル陳列・ウイング陳列・フック陳列などのやり方を組み合わせる方法もあります。

ジャンブル陳列

ジャンブルとは「ごちゃ混ぜ」の意味で、ワゴンや平台を使って、商品を無造作に陳列する陳列方法のことです。投げ込み陳列とも呼ばれます。安さをアピールできるとされ、安売りの商品や見切り品など、価格の安い商品で使われることが多いです。

他にも、広告商品など在庫が多い商品の消化に使う方法でもあります。レジ前にワゴンを置く、「○○円均一」など販促と一緒に行う、などのやり方と組み合わせても効果的です。

○メリット

  • 陳列作業が簡単
  • 安さ、お得感をアピールしやすい
  • ついで買いや衝動買い、ストック買いなどを促せる
  • 目立ちやすく、見てもらいやすい

○デメリット

  • 商品が傷つきやすい
  • 処分品に見えてしまい、価値が低く見られやすい
  • 品質をアピールしにくい
  • 通路幅が狭くなるため、消費者が店内を歩きにくくなる
  • ボリューム感が無くなると、急激に販売数が落ちる

こうした特徴から、ジャンブル陳列は高級品や品質をアピールしたい商品の陳列には向いていません。また、ボリューム感が少なくなると販売数も落ちるため、在庫の数に注意しましょう。

ウイング陳列

段ボールをカットしたものやカゴなどを、エンド・平台の横に突き出して置く、「ウイング=羽根」のような陳列方法です。視認率を高め、ついで買いを促進できることから、お菓子売り場などに使われることが多いです。新商品や関連商品など、とにかく視認率を高めたい商品にも有効とされています。

○メリット

  • 買上げ点数を増やしやすい
  • 店内を動いてもらいやすい
  • 視認率をアップできる
  • 関連商品の陳列に便利
  • 特売商品の売れ残り処理などにも使いやすい

○デメリット

  • 売り場通路が狭くなるため、消費者がぶつかる可能性がある

ウイング配列は、通路が狭くなりやすいという大きなデメリットがあります。置き場に十分注意し、来店した顧客が不快にならないような配置を考えましょう。

フック陳列

名前の通り、フック型の什器に商品を吊り下げる陳列方法です。商品上部に吊り下げられる穴が空いている、引っ掛ける場所があるなど商品の形状にもよりますので、フック陳列を利用できる商品は限られています。小型で軽い商品が多く、袋入りキャンディや縦長パッケージのお菓子、歯ブラシなどの日用品などが代表的です。

  • ゴンドラ全体に設置
  • ゴンドラの上段と中段に設置し、下段は棚板と仕切り板が設けられた通常の棚に
  • エンド横の格子状の網目部分にフック型什器をかける
  • レジ前のエンド、レジ横

などのように、アイデア次第で陳列を工夫できるのがフック陳列の大きな特徴です。

○メリット

  • 商品を見やすい
  • 在庫量がすぐわかり、管理しやすい
  • ゴンドラやエンド売り場を整理しやすい

○デメリット

  • 大量陳列はできない
  • パッケージが傷みやすいため、陳列に注意が必要
  • 大きな商品は陳列できない
  • 商品を取りにくいこともある

フック陳列を利用する場合、詰めすぎず、取りやすい高さに商品のフェイスを揃えましょう。また、パッケージが傷みやすいため、汚破損はすぐに取り替えることも意識することが重要です。

スーパーマーケットの陳列について詳しく知りたい方はこちらの記事もご参考ください。
売り場の陳列はなぜ重要?適切な場所の選び方をポイントで解説

関連商品を近くに置く

買い上げ点数をもう1点上げる訴求、と言われています。関連商品が近くに置いてあれば、ついで買いにも購買行動の促進にもなるため、以下のような工夫をすると良いでしょう。

  • 野菜のそばに鍋の素
  • お肉のそばに焼き肉のタレ
  • パスタのそばに粉チーズ
  • うどんのそばに揚げ玉や海苔

タレや調味料、薬味などの関連商品をその場で同時に購入できれば、店内を歩き回る手間が省けます。そのため、他の商品など店内をゆっくり見て回る余裕ができ、購買意欲の促進につながるというわけです。

売りたい商品と関連性のある商品のそばに置くことで、セット売りするという手法にも使えますので、上手に使いましょう。

消費者の目線を意識する

どんなに工夫をこらした陳列でも、消費者が商品を認識してくれなくては意味がありません。最後に、消費者の目線を意識するための3つの工夫をご紹介します。

ポップの工夫

目を引くポップはもちろんのこと、商品のメリットや特徴を解説したポップが効果的です。見ただけではよくわからない、一見魅力を感じにくい場合でも、一言説明が入るとわかりやすいでしょう。

パッケージがキレイなだけでは、商品はなかなか売れません。そこで、中身の魅力をアピールできるポップを利用し、消費者にとっての「買う理由」を後押しする役割を持たせましょう。

美味しく見せる工夫

品物を美味しく見せるための工夫として、野菜や果物では、色つきネットに入れたり青色のテープを使ったりすることが多いです。みかんを赤やオレンジのネットに入れたり、オクラを緑色のネットに入れたりするのはもちろん、葉物野菜を青色のテープや包装にすることで、緑色を引き立てるのも良いでしょう。肉なら、赤みがかった照明を使うことでより新鮮に、美味しそうに見せるなどの方法があります。

大人と子どもの目線の違い

「ゴールデンライン」とは、消費者が一番商品を手に取りやすい棚の位置を指します。大人であれば、だいたい床から110〜140cmのスペースです。人間にとって、目の高さから20度くらい下がった部分が最も見やすい高さであり、それはだいたい胸のあたりだからです。売り上げが多い商品のほとんどは、このゴールデンラインに陳列されています。

子どもの場合、背の高さによって好きな商品を手に取りやすいよう、大人とは違った工夫を行いましょう。子ども向けお菓子、食玩、駄菓子などのコーナーが該当します。

スーパーマーケットでファミリー層を集客するための方法については、以下の記事もぜひ参考にしてください。
スーパーでファミリー層を集客するには?売上アップのおすすめ施策もご紹介

まとめ

スーパーの売り場にはさまざまな工夫がなされていますが、ここでは基本の陳列にひと工夫加えて訴求力を高める方法をご紹介しました。エンド売り場の見せ方や商品の並べ方のコツをつかみ、消費者が利用しやすいとともに、思わず買いたくなるような売り場を作りましょう。