ショッピングモール集客のためのマーケティングとは?ポイントや施策例を解説
ショッピングモールはさまざまなテナントが集まっているため、集客の際にはほかの小売店とは異なる集客のポイントをおさえておかなくてはなりません。
ショッピングモールマーケティング担当者の中には、集客のためにどのようなマーケティングを実施すべきか頭を悩ませている方もいるのではないでしょうか。
そこで、ショッピングモールにおける集客の重要性とマーケティングのポイントをまとめました。あわせて具体的な施策の例も取り上げています。効果的な集客施策のヒントがほしい方は、ぜひご覧ください。
目 次
ショッピングモールにおけるマーケティングの重要性
ショッピングモールはさまざまなテナントが集まり、顧客に多様性ある購買体験を提供するのが魅力の施設です。
しかし、競争が激化すると他社との差別化を図るために、ターゲットとなる顧客に対してマーケティング施策が必要となります。
マーケティング施策を実施する場合には、ショッピングモールの位置付けとターゲットとなる顧客を明確にすることがポイントです。
ショッピングモールにおけるマーケティングの基礎知識
ショッピングモールにおいて重要なマーケティングは、ただ闇雲に行えばいいものではありません。マーケティングをする際には、以下の基礎知識を覚えておく必要があります。
購買サイクル
購買サイクルとは、見込み客がリピート顧客になるまでのステップを指します。ショッピングモールを認知し、実際に利用・購入後にファン化する段階を、以下の6ステップで表したものです。
- 認知
- 興味
- 検討
- 購入
- 継続
- 応援
これらのステップを理解し仕組み化することで、継続的に売上を得られるシステムを構築できます。
例えば、子どもにいろいろな体験をさせたいが、遠方だとトラブル発生時の対応が心配だと思っている保護者がいたとします。
この保護者が近くのショッピングセンターで子どもが楽しめるようなイベントを探している場合、どのような施策なら購買サイクルを回せるでしょうか。代表的なものだと、以下のような施策があります。
- 子ども向けのヒーローショーやスタンプラリーなどの参加型イベントを開催する
- キッズトイレやおむつ替えなどができる授乳室を用意する
- 子ども用遊具コーナーやカートを導入する
このうち、実際に多くの商業施設で採用されているのが「きゃらくるカート」です。
きゃらくるカートはハンドルなどの遊具やカートを押す保護者が荷物を置けるようなスペースが搭載されています。小さい子どもを連れて広い商業施設を移動するのは大変ですが、きゃらくるカートがあれば安全に移動できます。
移動中の負担を軽減できれば、顧客の施設内回遊率の向上やファン化につなげられるでしょう。施策や設備導入は、購買サイクルへどのような影響を与えるかをよく考えたうえで行うのがポイントです。
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オムニチャネル
ショッピングモールは複数店舗や施設で構成されています。情報発信が店舗や施設ごとにバラバラだと、適切な訴求ができません。
オムニチャネルを意識し、各店舗だけでなくショッピングモール担当者・各部署で連携を取ることも大切です。
情報発信する媒体は、媒体ごと連携を取り、それぞれの適性を活かしましょう。すべての媒体で得られる情報が同じだと、深い情報を求めている顧客のニーズに応えられません。
例えば、一般的に情報発信で使われる媒体には以下のような特徴があります。
- チラシなどの紙媒体:なじみ深いが一度印刷すると情報の更新ができない
- WEB媒体:情報の更新がほかの媒体に比べて容易だが、インターネットを使用しない顧客には届かない
- SNS:拡散力があるが少ない文字数や画像でアピールする必要がある
では、特性を活かしつつ顧客のニーズに応えようとする場合、どのように工夫すればいいのでしょうか。上記の例でいえば、以下のようになります。
- 紙媒体やSNS:内容は宣伝程度にとどめ、来店やWEB媒体へ誘導する
- WEB媒体:店舗や施設の詳細な情報を掲載し、細かい情報を求める顧客のニーズに応える
ショッピングモールは多様性に富んだ購買体験ができる施設です。この魅力を活かすには、店舗や担当部署・媒体ごとの連携が重要になります。
集客マーケティングを実施する際は、購買サイクルだけでなく、オムニチャネルも意識しましょう。
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ショッピングモールのマーケティングにおいておさえるべきポイント
ショッピングモールで活用できるマーケティングや施策には、さまざまな方法があります。的確な方法や施策は施設ごとに異なりますが、共通しておさえておくべきポイントがあります。
マーケティングの基礎知識だけでなく、ポイントもおさえておきましょう。
適格な顧客をターゲティングできているか
集客はある程度顧客やターゲット層を絞り込んでおく必要があります。マーケティングを実施する前に、店舗や施設に来てほしい顧客層やペルソナを決定しておきましょう。
あわせて、的確なターゲット層を見極めるために、自店舗や施設に来る顧客が持つ属性も把握しておく必要があります。
以下の要素は年齢や属性により、的確な方法がそれぞれ異なります。
- 集客施策
- 販売施策・方法
- 効果的な広告媒体
マーケティングは、それぞれの内容がきちんとターゲット層に合致しなければ成功しません。施策を成功させるためにも、顧客情報の収集やターゲティングは慎重に行いましょう。
ターゲットに最適な情報提供ができる施策か
顧客は自分の好みに最適化された商品やサービス・経験を求めてショッピングモールに来訪しています。ターゲティングした年齢層や属性が求めるものを、店舗や施設が提供できているかも、チェックすべきポイントです。
ターゲットごとに商業施設に求めているものは異なります。施策だけでなく施設設備もその対象です。顧客や施設分析を行う際は、施策だけでなく施設設備などもターゲットに対して最適化できているかをチェックしましょう。
外部環境や競合分析ができているか
店舗や商業施設の集客において、外部環境の分析は重要な要素です。これはショッピングモールも例外ではありません。以下の要素の分析も怠らないようにしましょう。
- 商圏内の顧客情報
- 液や駐車場などの必要性
- 近隣の競合他社
これらの内容も加味して分析すれば、顧客ニーズや自社の強みをより深く理解できます。外部環境や競合の分析が不十分だと、他社と変わらない、ぼやけた施策になる恐れがあります。
マーケティングにおける分析は、バランスよく行いましょう。
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ショッピングモールのマーケティングで有効な施策
ショッピングモールの集客で活用される施策は、実に多彩です。効果的な施策を検討しようとしても、実例がないと具体的に考えられない場合もあるでしょう。次は参考として、集客において有効な施策をご紹介します。
モール内イベントの実施
実際のショッピングモールでもよく行われているのが、モール内イベントです。具体例としては、以下のものがあります。
- ヒーローショー・キャラクターショー
- 大道芸
- エアー遊具
- ワークショップ
- 展示会
ターゲット層やペルソナに合致する顧客の興味を刺激し、集客する方法です。顧客はイベント前後に買い物するため、イベント内容に関連ある店舗と協力し、購入を促す施策につなげるなどの活用もできます。
デジタルを利用した宣伝
ショッピングモールをはじめとした商業施設では、デジタルを利用した宣伝も有効です。
現在多くの人がインターネットをスマートフォンで利用しています。この流れに合わせてスマートフォンで利用しやすいWEBサイトやSNS・専用アプリを用いて宣伝している商業施設も珍しくありません。
スマートフォンの通知を利用した宣伝・アプリ限定クーポンなどの活用や、アプリを使いながら参加するイベントの開催なども行われています。活用方法の幅が広い分、他社にはない施策を展開できるのが魅力です。
ショッピングモールの集客には適切なマーケティングが不可欠
ショッピングモールの集客には、ターゲット層やペルソナに合わせたマーケティングを行いましょう。施策の成功はその内容だけでなく、部署同士の連携や設備導入なども関係します。
そのため、ショッピングモールの集客のためにマーケティングを実施する際は、広い視野を持って行うことが重要です。