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スーパーマーケットのバリアフリーは必要?人にやさしい店舗づくりを解説

スーパーマーケットのバリアフリーは必要?人にやさしい店舗づくりを解説

スーパーマーケットには、若年層や中年層、さらに高齢者まで、幅広い年齢層が来店します。また、視覚や聴覚に障害がある、病気やケガをしているなど、さまざまな方が来店します。だからこそ、スーパーマーケットにとって必要不可欠なのがバリアフリーです。この記事では、店舗内はもちろん店舗外も含めた「人にやさしい店舗づくり」の方法を解説します。

スーパーマーケットにバリアフリーは必須!

スーパーマーケットにバリアフリーは必須です。では、店舗の関係者はどのようにバリアフリーに向き合えばいいのでしょうか。まずは、関係者がバリアフリーの意味を理解して適切に対応する必要があります。まずは、バリア(障壁)とはどういうものなのか説明します。

バリア(障壁)とは?

バリアフリーの「バリア」とは英語の障壁(かべ)です。つまりバリアフリーとは、様々な活動でのバリアをなくす(フリーにする)ことを意味しているのです。

では、どのような方がどのような状態・状況でバリアを感じるのでしょうか。わかりやすいのは公共交通機関の優先席の表示です。身体の不自由なひと、内部障害のあるひと、乳幼児を連れたひと、妊娠されているひと、怪我をしているひとなどを対象としています。

スーパーマーケットでも、障壁の有無に関わらず、様々な利用者に対しての対応が求められます。

4つのバリアとは?

バリア(障壁)には4種類あります。(1)物理的なバリア、(2)制度的なバリア、(3)文化・情報面でのバリア、(4) 意識上のバリアです。

  • 物理的なバリア

物理的なバリアは「移動」に困難を伴うものです。例えば、車椅子の利用者、松葉杖をついた利用者などは、放置された買物カート、通路に積まれた番重が置かれている通路や、勾配のある通路を通るのは困難です。人や物に衝突したり、転倒したりする恐れがあります。

  • 制度的なバリア

制度的なバリアとは、社会の制度のために障害があるというだけで機会を奪われていることをいいます。スーパーマーケットでいえば、店舗のルールで介助犬や盲導犬の入店を禁止しているために、視覚に障害を持つ利用者が盲導犬を連れて入店できないというような状況があげられます。

  • 文化・情報面でのバリア

文化・情報面でのバリアとは、情報の伝え方によって、障害を有する人が必要な情報を平等に得ることができないことです。

例えば、視覚に頼ったタッチパネルタイプのセルフレジや音声のみの店内アナウンスなどがあげられます。聴覚に障害のある利用者は、音声のみのアナウンスでは情報を得ることができません。地震や火災などで避難を呼びかけるようなアナウンスだとしても、すぐに状況を認知できず逃げ遅れるようなことも考えられます。

  •  意識上のバリア

意識上のバリアは周囲から心ない言葉を投げかけられる、偏見や差別を向けられるなど、世間が障害のある人を受け入れない状況のことです。

例えば、スーパーマーケットの屋外駐車場の点字ブロックに対して、店員や利用者が無意識に立ったり、カートや番重を置いたりして、視覚に障害のある利用者のバリアを生み出してしまうような状況があげられます。

心のバリアフリーとは?

「身体のバリアフリー」があれば「心のバリアフリー」も存在します。心身のバリアに関わらず、様々な心身の特性を持つひとりひとりの人間が、相互に理解を深め、支え合うことが心のバリアフリーです。

心のバリアフリーをスーパーマーケットで実現するためには、困っている方に声をかけるといったアクションを起こすこと、そして店舗はもちろん従業員ひとりひとりも含めてアクションを継続・発展させることが必要です。

店舗のバリアフリー化のメリット

スーパーマーケットのバリアフリーは障害を抱える利用者にとってメリットになることはいうまでもありません。では、店舗にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

バリアフリー化を実現することによって、障害を抱える利用者が積極的に来店することが考えられます。障害を抱えている状況であれば、バリアフリー化された店舗に足を運ぶことは当然でしょう。

そのため、バリアフリー化をしていない競合店と比較して、来店者数を増やし売上を向上させることが期待できます。

店舗がバリアフリーを実施すべき場所

スーパーマーケットの店舗でバリアフリー化に取り組もうとしたとき、直面するのが「まずどこをバリアフリーにするのか分からない」という問題です。

店舗のバリアフリー化では、通路幅を広くしたり陳列棚の高さを低くしたりなど、様々な対策が考えられます。そこでここでは、バリアフリー化を優先的に進めていく場所を紹介します。

店舗の出入口

まずは店舗の出入口です。出入口のドアを自動ドアやスライド式にすることで、車椅子やベビーカーの利用者などの利便性と安全性が向上します。

また、出入口に段差のある店舗は、スロープを設置すると同時に、点字ブロックを設置し、ドアの開閉時に音が鳴るようにするなど、視覚や聴覚に障害のある利用者を想定したバリアフリーの実施も検討すべきでしょう。

店舗内の通路

店舗内の通路は、車椅子やベビーカーと他の利用者がすれ違うのにも余裕のある幅にする必要があります。利用者は店内カートを利用していることも多いため、車椅子やベビーカーと店内カートがすれ違うことも想定した通路幅に設定しましょう。

商品の陳列棚

商品の陳列棚は高い位置の商品を取れない利用者も少なくありません。車椅子の利用者や高齢者はもちろん、健常といわれる小柄な女性や子どもでも商品を取りやすいよう、できる限り低めに設定するのが望ましいです。

トイレ

スーパーマーケットをはじめとした様々な施設では、全国的にトイレのバリアフリー化が進められています。車椅子の利用者でもゆったりと使用できるスペースを確保する、鏡や洗面台の位置を低くする、高齢者の転倒を避けるために手すりを設置するなどの対策が必要です。

同時にトイレだけでなく、ミルクルーム(授乳室)を設けるなど、小さなこどものいる女性に対する配慮も進められるとよいでしょう。

駐車場

車椅子駐車場(障害のある人のための駐車マス)は、できるだけ店舗に近い場所に設置します。同時に、安全に乗り降りできるよう、充分なスペースを両サイドに確保しなければいけません。また、駐車場内に大型誘導サインを設け、視線に入りやすい館内サインなどを設置すると、利用者にとっての利便性が高まります。

会計・レジ

スーパーマーケットのレジスタッフの会計時のサポート体制構築も必要不可欠です。視覚や聴覚に障害があっても、商品、金額、合計がわかるよう、声に出して読み上げるなど、レジスタッフの臨機応変な対応も求められることから、日頃からの指導が重要になります。昨今全国的に増えているセルフレジも、視覚や聴覚に障害がある方が操作できるような工夫が求められています。

サービス介助士

店舗の従業員が「サービス介助士」の資格を取得するのもバリアフリーの取り組みだといえます。

サービス介助士とは、障害のある利用者や高齢の利用者に対する介助方法や、接し方などの知識を学ぶ資格です。従業員が介助の方法を知っていれば、多くの利用者が安心してお店を利用できるようになります。

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まとめ

スーパーマーケットの利用者は高齢者、心身に障害を持つ人、妊婦している人、病気を患っている人、ケガを負っている人など様々です。障害があってもなくても日々の生活に食料品や日用品の買い出しは必要不可欠です。

だからこそ、さらに来店者を引き込むためには、幅広い利用者にとって買い物しやすいよう、バリアフリー化は必須であり、スーパーマーケットにおける経営戦略のひとつともいえます。もし、バリアフリー化が遅れているようであれば、ぜひ取り組みをはじめましょう。