販促ツールとは?企画する際のポイントや成功事例を紹介!
マーケティング戦略のなかには販促ツールを活用する手法もあります。販促ツールを活用することで効率的に自社の商品やサービスにアプローチできるほか、顧客の購買意欲を高めるメリットもあります。そこでこの記事では、販促ツールの概要や企画する際のポイントを紹介します。
目 次
販促ツールとは
販促ツールとは、消費者やユーザーの購買意欲を高め、販売を促進するツールのことです。よく使われる販促ツールとして、「チラシ」「POP」「Weサイト」「メルマガ」などが挙げられます。
販促ツールを上手く利用できれば、商品の魅力や特徴をわかりやすく伝えられ、効率的に購買意欲を高められます。販促ツールを複数利用することはもちろん、一つ一つツールに適したアピール方法を見つけることで、売上を大幅に増やすことも可能です。
販促ツールを制作する目的
販促ツールを制作する主な目的は「認知」「購買促進」「売上向上」です。販促ツールを活用せずとも、顧客は欲しい商品やサービスを購入するかもしれません。しかし特に新しい商品を購入してもらいたい場合は、まず販促ツールを活用して認知を促すことが重要です。
もちろん既存商品でも顧客に必要性をアピールしたり、お得なキャンペーン情報を提供したりすることで購買意欲を刺激できます。販促ツールがうまく機能すれば売上向上に貢献するでしょう。さらに、人による直接営業を必要としない点から営業活動を効率化させるというメリットもあります。
販促ツールの種類と一覧
販促ツールにはいくつか種類があります。それぞれの種類の特徴を理解することで自社に合った販促ツールを活用しましょう。
プッシュ型
プッシュ型とは、企業側から消費者にアプローチを行う販促ツールのことです。定期的に発信することで、ユーザーの購入意欲を高められます。SNSなど不特定多数が閲覧する場所では、商品やサービスを認知していない層にアピールでき、顧客の新規獲得が可能です。
また、しばらく利用していなかった顧客にはクーポンなど、再購入しやすい環境を提供し、リピートを促すことができます。プッシュ型販促ツールの具体歴は「チラシをポスティングする」「広告をうつ」「DM・メールマガジンを送る」などが挙げられます。
プッシュ型販促ツール例 | 特徴 |
SNS(FacebookやInstagram、Twitterなど) | ・費用をかけず、多くの人に発信できる |
メールマガジン | ・SNS同様、多くのお客さまに情報を発信できる ・HTML形式はリンクや文字装飾などができる(視覚的にアプローチでき、重要点を伝えやすい) ・テキスト形式は文字情報のみを掲載可能 (容量が少なく、デバイスを選ばない) |
クーポン | ・料金による商品購入ハードルを下げられる ・再来店や再購入を促し、リピーター獲得にもつなげられる ・定期的に発信することで、客単価を上げやすい |
クーポンのメリットや効果を詳しく解説した記事もあるので、ぜひご参考ください。
クーポンはリピーター獲得にも効果的!?メリットや配布方法をご紹介
プル型
プル型とは、消費者から自発的に行動してもらえるように促す販促ツールのことです。 プッシュ型より企業からの積極性はありませんが、「買うか迷っている」という人に対してアプローチでき、購入への最後の一押しができます。
商品やサービスの魅力を伝えられる販促ツールで、「買いたい」意欲を掻き立てるのが目的です。たとえば、「SNSの運用」「カタログパンフレットを用意する」「店頭にPOPを飾る」などが挙げられます。
プル型販促ツール例 | 特徴 |
POP | ・商品の魅力を簡潔に伝えられる ・パッケージだけでは伝えられない魅力を伝えられる |
カタログ | ・多数商品の中から、ユーザー好みのものを選んでもらえる (似たような商品がある場合、比較ができる) ・ブランディングにも有効 |
他にもスーパーのPOPや店頭販促についての記事もあるのでご参考ください。
スーパーのPOPはなぜ必要?POPが果たす役割や作り方を知ろう
店頭販促とは?基本の考え方と目的、方法について知ろう
販促ツールを企画・制作する際のポイント
販促ツールを企画・制作する際は、以下の3つのポイントを意識するようにしましょう。
①ターゲットを明確にする
販促ツールを制作する前に、まずは誰に届けるのか、ターゲットを明確にすることが重要です。なぜなら、ターゲット層によって最適なツールが異なるからです。
また、ひとつの商品を取ってもターゲットの性別や年齢が異なれば訴求するべきポイントは変わります。誰にでも無難に捉えられる販促ツールは結果的に誰にも刺さらず、効果が見込めないでしょう。
ターゲットに確実に刺さる販促ツールを制作し売上を向上させるためにも、ターゲット像は明確にしておくのがポイントです。
②顧客のニーズに沿った販促ツールを制作する
販促ツールを制作する際は、顧客のニーズに沿って制作しましょう。商品やサービスの紹介だけでは、販売意欲を促せません。ユーザーのニーズを調査し、分析を行うことで、競合よりも頭一つ抜けた販促ツールを制作できます。
具体的には、サービスの種類やユーザーの心理傾向によって、伝えるメッセージ性を考えましょう。また、色やフォントなどのデザインを変えることで、視覚的にもアピールポイントを伝えられます。
③企画の全体像を把握したうえで制作する
販促ツールを制作する際は、企画の全体像を把握するようにしましょう。全体像を把握できていないと、色や文字、図版といったデザイン表現がぶれてしまいがちです。
また制作することが目的になってしまいやすく、ターゲットに刺さらない販促ツールが出来上がってしまいかねません。そのため販促ツールは、企画の全体像を捉えたうえで制作しましょう。
販促ツールのデザインにおけるポイント
顧客の目に留まる販促ツールを作るには、デザイン上のポイントをおさえる必要があります。作成の際は、以下のポイントに注意しながらデザインしましょう。
顧客が見やすい・手に取りやすいサイズを心がける
販促ツールにはさまざまな種類・形状がありますが、共通して注意すべきなのがサイズ感です。販促ツールのサイズは、顧客が目的のアクションを取りやすい大きさで作成しましょう。
例えば、POPなら顧客が一目で内容が分かるようなサイズとデザインで作成します。サイズが合わないと、メイン画像やキャッチコピーから情報が読み取れず、顧客は離脱してしまいます。
チラシやポイントカード・ショップカードなどの携帯してもらうことが目的の販促は、手に取りやすい・保管しやすいサイズで作成するのがポイントです。
手に取るタイプの販促は、顧客が目的の行動を取るまで保管してもらわなくてはなりません。手に取りやすさだけでなく、厚さや重さもこだわって作成しましょう。
文字や画像はそろえる
販促に掲載する文章や画像は、大きさ・左右上下の位置をそろえましょう。デザインや配置を統一すると、スッキリと読みやすい内容になります。
文章や画像がバラバラだと顧客にだらしない印象や不安感を与えてしまい、離脱につながります。文章や画像の大きさ・位置・フォントは、統一感を意識しながら選びましょう。
また、目線の動きを意識したレイアウトも重要な要素です。目線の動きに沿ったレイアウトは、読みやすさを向上させつつきちんとした印象を与えられます。
人の目は文字列を左から右・上から下に読みます。販促ツールのレイアウトも、この流れに沿って配置しましょう。
一番伝えたい内容左上に、終わりは右下に来るよう配置すると、自然と顧客に伝えたい情報を分かりやすく伝えられます。
テーマカラーは3色まで
販促ツールの色は、テーマカラーを3色まで絞って作成すると、洗練されたイメージを与えられます。販促に使う色は、事前に絞り込んでおきましょう。
カラフルな販促ツールは目を引きますが、ごちゃごちゃした印象を与えます。注目を集められても、伝えたい情報が読み取れなければ販促の意味がありません。
限られた色でも配置や濃淡で印象を変化できます。販促に使う色は、顧客の目に留まりやすく目的の行動をイメージできるような配色を心がけましょう。
ちなみに、背景を白・文字を黒にすると余白が取りやすく、読みやすい販促ツールを作成できます。これも色を利用したデザインのテクニックです。
販促ツールを作る際の注意点
販促ツールを作成する際は、デザインだけでなくスケジュールやコストにも注意しましょう。次は、販促スケジュールやコストで気を付けるべきポイントを解説します。
販促スケジュールは最初に確認しておく
販促作成の際はスケジュールを最初に確認しましょう。販促ツールはすぐ作成すればできるものではなく、複数の工程が必要です。
適切なタイミングでツールを使うには、入念にスケジュールを調節しなくてはなりません。
- コンテンツ内容やサイズの打ち合わせ
- 原稿やデザインの作成
- 原稿やデザインの校正
- 販促ツールの作成・発注
工程の間には打ち合わせだけでなく確認作業も入るため、仕上げるまでには相応の時間がかかります。
適切なタイミングで販促ツールを使用できる状態にするには、すべての工程を滞りなく行えるように管理しなくてはなりません。
作業中のアクシデントも考慮すると、不測の事態に対応できる余裕も必要です。販促ツールの作成を計画する際は、余裕あるスケジュールを計画するところから取りかかりましょう。
ツール制作や活用にかかるコストにも注意
制作時に注意しなくてはならないのは、スケジュールだけではありません。費用や手間などのコストも重要な要素です。
高品質な販促ツールを作っても、支払うコストに対するリターンが少ない状態では意味がありません。
最悪の場合、事業への影響も考えられるでしょう。作成にかかるコストは、最小限に抑える必要があります。
コストを抑えるには、計画時のコスト計算だけでなく、現時点で活用している販促ツールの分析も重要です。定期的に販促ツールによって売上や利益にどのような影響を与えているかを分析しましょう。
成功例のうまくいった点はもちろん、失敗例の問題点や改善点を洗い出す作業も欠かさず行うのがポイントです。
また、明らかに失敗している販促ツールは早めに下げましょう。販促ツールの効果よりもコストが大きい場合は、思い切って中止することも大切です。
販促ツールを効率的かつ効果的に活用するには、既存ツールの管理も重要な要素といえます。
販促ツールの主な作成方法
販促ツールを作る方法は複数あります。次は販促ツールを作る際の主な作成方法と、方法ごとの特徴やメリットを解説します。
自社開発する
自社でサイズやデザイン・原稿などを作成して形にする方法です。一から自作する場合だけでなく、販促ツール用のテンプレートや、商用可能デザインを活用する方法もあります。
自社で完結するため、ツールに記載する内容を自由に決められます。また、デザイン会社などを通さない分、作成コストを抑えられるのもメリットです。
制作会社に依頼する
販促ツールは専門の制作会社もあります。プロに作成を依頼するのもよくある方法です。
制作会社は打ち合わせの内容をもとにプロの知識と技術を使って作成するため、顧客へ効果的にアピールできる販促を作成できます。高品質の販促ができる反面、作成コストがかかります。
販促ツール作成会社に依頼する際は、余裕ある予算を用意したうえで活用しましょう。
ChatGPTを使った販促ツールの企画・制作方法
効率よく販促ツールを制作するのであれば、ChatGPTの利用もおすすめです。ChatGPTとは、Open AI社が開発した、人工知能(AI)を使ったチャットサービスのことを指します。一定数キーワードがあれば制作できるため、最近ではChatGPTを販促ツールとして活用する企業が増えています。ChatGPTは膨大なデータを収集することによって制作できるため、重要となる点を適格・時短で集められるのがポイントです。
<ChatGPTの具体的な使い方>
・ターゲットとなる人物の趣味嗜好を聞く
・できるだけ具体的な質問を投げかける
例:「スーパーマーケットの店員になりきって、売上を上げるための販促ツールの企画を考えてください」
販促ツールの活用事例
ここでは実際に販促ツールを活用して成功した事例を紹介します。
キリンビバレッジ
キリンビールや生茶で有名なキリンビバレッジは、ターゲットに響くポスターの制作に成功しました。同社はSNS投稿データから消費者インサイトを解析できるAIを活用しており、顧客ニーズを販促ツールに反映させることができています。近年ではオンライン、オフラインで得られたデータを基にマーケティング施策を企画する企業も増えてきており、今後も顧客データをどのように販促ツールに反映させるかが集客のポイントとなりそうです。
ちなみに近年ではオンラインとオフラインの施策の相乗効果を狙うOMOマーケティングを取り入れる企業が増えています。詳細は以下の記事にてご参考ください。
OMOマーケティングとは?成功の秘訣と事例を紹介!
アース製薬
害虫駆除アイテムを多数取り扱うアース製薬では、「タッチ式デジタルサイネージ」を活用しています。タッチ式デジタルサイネージとは、画面に大きく商品を表示させ、ユーザーが気になる情報にアクセスできるものです。「害虫駆除なんでも事典」というものを設置し、どの害虫を駆除したいのかによって、速やかに役立つ情報を提供できるようになっています。人感センサーによるタッチを呼びかける方法を取り入れ、ニーズに合った紹介を行えているのも特徴です。
まとめ
販促ツールを上手く活用できればマーケティング戦略として絶大な効果を発揮します。そのため、年齢層や性別・ユーザー心理を理解して販促ツールを制作するのがポイントです。効率的に販促ツールを制作したい方はChatGPTの活用も試してみてはいかがでしょうか?
ちなみに、ファミリー層の購買意欲を促進する施策を検討しているという方は「きゃらくるカート」もチェックしてみてください。